家族信託を活用する場合には、信託財産の管理だけでなく、必要な費用や税金も事前に知っておく必要があります。
今回は、家族信託にかかる税金と費用についてわかりやすく解説していきます。
家族信託の内容については、下記の記事で詳しく解説しております。
家族信託の税金
家族信託では、それぞれのケースで課税される税金が異なります。
課税される税金の項目は所得税、贈与税、相続税になります。
どのようなケースでどの税金がかかるのかを解説していきます。
贈与税 第三者を受益者に指定する場合
家族信託は、委託者、受託者、受益者でなされますが、財産を託す委託者と、信託した財産の利益を貰う受益者が同一人物ではなく、第三者の場合には、贈与がされたとみなされ、支給される利益に対して贈与税が課税されます。
贈与税の課税が困る方であれば、家族信託の構図を委託者が生きている間は、受益者も受け持ち、死後に受益者を指定すれば贈与税でなく、相続税の課税対象になります。
相続税 受益者が相続する場合
受益者が相続により、その権利を貰う場合には相続税の対象になります。
前述しましたが、受益者として利益を得ている行為は財産になりますので、相続評価額の対象になります。
会社の経営者で家族信託を考えている方で、かつ、節税対策を考えている方は2018年から事業承継に関する税金が変わりましたので、家族信託をする事で余計に税金がかかるケースがありますので、ご注意ください。
所得税 委託者と受益者が同一、受益者が権利の売却をした場合
委託者と受益者が同一の場合と受益権を譲渡した場合には、所得税が課税されます。
例えば、受益権が1,000万円の簿価の受益権を1,500万円で売却した場合には、500万円に対して譲渡所得税が課税さえれます。
不動産同様に、長期譲渡と短期譲渡で譲渡税率が変わります。
登録免許税と固定資産税
信託財産が不動産の場合には、登記簿の名義変更を行う事が多いです。その際に、法務局に納める登録免許税が必要になります。
ただし、信託での名義変更の場合には、登録免許税が安くなります。
通常の売買での所有権移転では固定資産税評価額の1.5%になりますが、信託の不動産の場合では固定資産税評価額の土地は0.3%(令和3年3月31日まで)建物は0.4%になります。
1億の土地と1億の建物であれば、30万円と40万の併せて70万円の登録免許税がかかります。
不動産は資産価値が高いためかかる諸経緯も高くなります。
また、不動産取得税は通常の売買と違い、信託財産の変更であれば必要ありません。
家族信託に必要な費用
家族信託は通常は、信託契約を作成し、締結します。
その際に、かかってくる費用を解説します。
・契約書1通につき、印紙税200円
・前述した不動産登録免許税
・法律家に依頼する場合の報酬
・公正証書作成の場合には、作成費用
家族信託は最低限であれば、印紙税200円だけで作成できます。
しかし、実際に作成した場合には法律家に依頼した方がいい場合もあるので、無理せずに家族信託を行う場合には、専門家を頼りにしましょう。
また、公正証書が必要になる場合は、自己信託や当事者以外から何か言われるのが心配であれば公正証書で作成した方が良いでしょう。
費用は財産の価値が100万円以下ならば、手数料は5,000円、100万円を超え200万円以下の場合では7,000円と金額で変わってきます。
まとめ
家族信託はお金をかけないようにすれば、ほとんど費用はかかりませんが、やはり信託契約は難しいものです。
わかったと思っても思わぬ落とし穴がある場合もありますので、無闇に自身で行わずに、専門家に頼む方が無難です。
どうしても自身で行いたい場合には、作成した信託契約の確認だけでも専門家に依頼することをオススメします。
家族信託のメリット・デメリットについては下記の記事で詳しく解説しております。
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