借地権【承諾料・更新料の相場】平均的な地代の計算方法

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借地権の更新料や譲渡、建て替え承諾料などの費用の目安をケースごとにお伝えします。

借地権は、借地料だけならばかなり安く利用することができます。

しかし、一度リフォームや建て替え、契約の更新などがあった場合に土地の価値によっては何百万円の費用が発生していきます。

ここでは、どんな内容で、どのくらいの費用が発生するのか、計算式も含めてお伝えします。

契約更新時の更新料

普通借地権では、建物が存在し続ける限り、原則的には契約期間は更新できます。

土地所有者が更新を拒むには正当な事由が必要で、正当性が示されない場合、契約は更新されます。

普通借地権の更新時には、ほとんどのケースで更新料が土地所有者から求められます。

民法では、更新料についての定めは特にありませんが、慣習的に更新時には更新料が支払われています。

補足ですが、法律で定めがない場合は、慣習に従うというのが暗黙の了解になります。

なので、「法律上では、更新料を払うと書いてないので払わない」と言っても、負けるケースが多いです。

更新料は、地代の補充、地代の前払い、更新拒絶の権利を行使しないことに対しての謝礼、安定的に契約を継続するための謝礼などの意味も含まれています。

契約の更新 計算方法 (地域によって差はあります)

更新料= 借地権価格(更地に借地権割合をかけたもの)× 5~10%

更地で3,000万円の実勢価格で借地権割合が60%だった場合

借地権価格1,800×5%~10%になります。

上記は、住居系の計算になりますので、事業用の借地権の場合、倍以上するケースもあります。

借地で建て替えする時の承諾料

借地権は賃貸借契約と比べかなり安く借りることができています。

普通借地権においての契約の場合、土地所有者は借地権が終わることを望んでいる人がほとんどです。

なので、建物が古くなり住めなくなれば、建物がなくなり、借地権が消滅することが望ましく思っています。

しかし、借家人によって、建て替えやリフォームがされれば、建物劣化による借地権の消滅がさらに遠のきます。

その際に、土地所有者の権利を補填する意味も込めて、承諾料という金銭の対価を支払います。

建て替え(リフォーム)の承諾料 計算式

建て替え承諾料:更地実勢価格の3%~5%

リフォームの場合は 2~3%になります。

契約条件変更にも費用がかかる 承諾料

金額別に座る人形で格差を表現している写真

木造などから鉄骨や鉄筋コンクリートに建て替えの場合に契約内容の変更が生じます。

これは借地契約期間が20年から30年へ変更することと、建物が劣化しにくく土地所有者に不利な内容になるため、承諾料が発生します。

契約条件変更の承諾料 計算式

借地条件変更の承諾料= 更地価格 × 10%

借地を譲り渡すための譲渡承諾料

譲渡承諾は、名義変更料といわれる場合もあります。

借地権を他人に譲渡する際に、土地所有者の承諾が必要になるので、その承諾を貰うための対価として支払う費用になります。

法律上の規定はありませんが、慣習によって支払いされていることがほとんどです。

なお、相続の場合は承諾料など必要ありません。

譲渡承諾料(名義書換料) 計算式

譲渡承諾料 = 借地権価格 × 10%

通常の地代(住宅地)

地代は地域によって、様々です。

また、契約当時のお互いの関係性によっても決まってきます。

赤の他人か血縁者か、知人かによって昔は地代を変えていたため、現在の地代が適正かどうかの判断基準にして下さい。

一般的な地代

住宅地の場合 年額:固定資産税・都市計画税の3倍から5倍程度

商業地の場合 年額:固定資産税・都市計画税の5倍~8倍

ただし、立地条件によっては大きく変わってきますので、あくまでも参考でお考え下さい。

その他計算方法

借地料には、様々な決め方がありますが、シンプルな固定資産税の算定方が多く使われています。

差額配分法

『適正な新規賃料』と『従前賃料』との『差額部分』を貸主・借主に配分する

算定式

改定時の正常支払賃料

=改定時の土地の基礎価格 × 正常な期待利回り + 改定時の必要諸経費等

=実際支払賃料+(正常支払賃料−実際支払賃料)×配分率

=実際支払賃料+(差額×配分率)

スライド法

基本的考え方は、直近での合意時に変動するスライド利率を話し合います。

例えば、前の賃料を物価変動率(他の指標でもいいです)を掛けて賃料を変更させる方法になります。

スライド法は個別的ではなく、何かしらの統計指標を参考にする事が多く、客観的事情をより反映させる事ができます。

計算例

改定賃料の算定式
改定賃料=直近合意時の純賃料×物価変動率+現在の必要諸経費な

純賃料
純賃料=(直近合意時の)実際支払賃料−必要諸経費など

実際支払賃料
実際支払賃料(従前賃料)は,特に当事者間の主観的事情を反映して合意されたものです。

公租公課倍率法​

対象の土地の税額に一定倍率を乗じた額を改定地代とする方法です。

年額=固定資産税・都市計画税

わかりやすく、公平な決め方と言われる事が多いです。

一般的な借地料の算定方法に多く使われています。

まとめ

借地権は持っている分には、賃貸に住むよりもかなり安価に住むことができますが、

更新やリフォーム、譲渡をするだけで、何百万円も余分に費用を支払う必要があります。

ただ、土地所有者としてみたら、権利の半分以上を安価で日々貸しているので、変更の度に、多額の金銭を貰うのは正当な理由としてみられています。

後は、日常のお互いの関係次第で、かかってくる費用は上下します。

土地所有者と仲が悪ければ、変更時にはなるべく高く費用を取ろうとします。

日々の友好な関係作りがお互いにとって、メリットのある状況になります。

借地権の種類などは下記記事で詳しくまとめています。参考にしてください。

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