隣の家、もしくは、自分の家が火災になった際に、火が周りに燃え移ったら損害賠償の請求をできるのか、されるのかが気になるところです。
火元や原因が何かによりますが、多くの場合には、もらい火での火災で損害賠償の請求はできません。
なぜできないのかというと、失火法という法律で決められているからです。
では、もらい火での火災に遭った時にどうやって対処したらいいのか?
建物が燃えてしまえば、建て替えの費用やリフォームの費用がかかります。
家財の買い換え費用や臨時の住まいの確保にも費用がかかります。
実際に、もらい火で火災被害にあった場合の対処方法と保険の仕組みについてわかりやすく解説していきます。
もらい火での火災で損害賠償できる?
![もらい火での火災で損害賠償できる?](https://hironakafp.com/wp-content/uploads/2020/03/851bd02266f5aaebe353035f6825a65c_s.jpg)
ある日、隣家が火事になりました。
念のため、自宅から避難しましたが、隣の家から火があなたの家にも燃え広がっています。
自宅の住宅ローン、家財などそのままです。
「家が半焼、全焼してこれから、どうしようか」
「隣家の人の責任だから、もちろん賠償してくれるから安心だ!」と思っている人、
実は賠償は難しいかもしれません。
隣の家の火事で、あなたの家が貰い火をしても、
基本的に損害賠償できません。
火事の原因が何かによって変わりますが、失火の場合には、失火責任法という法律があります。
故意、または、重大な過失がない場合は、失火は損害賠償の責任が無いことになっています。
火元の原因は?失火責任法とは
![火元の原因は?失火責任法とは](https://hironakafp.com/wp-content/uploads/2020/04/370031.jpg)
失火法は民放709条になり、かなり昔の法律で、明治時代に作られて、それ以降改正がされていません。
昔は、長屋で家屋が連なって建っていたため、一度家事が起きると大規模な火災になっていました。
昔は、保険もない時代だったので、全ての被害金額を賠償していたら、破産するしかない状況でしたでしょう。
そんな状況を変えるために、作られたのが失火法です。
もちろん、自分で火をつけたり、重大な過失があった場合は別です。
どのような場合が重過失の事例になるか
![どのような場合が重過失の事例になるか](https://hironakafp.com/wp-content/uploads/2020/04/3bee11dfff22b98ea47f08c19ac58022_s.jpg)
他にもケースごとに、損害賠償が認められる事例を紹介していきます。
・台所で火をつけたまま離れる
・寝たばこでの火災
・ストーブに火がついたまま給油する
・火気厳禁の近くでタバコを吸う
などの一見すると、
「そんな当たり前のこと?」と思うかもしれませんが、実際には上記のことをして火災する人がいます。
また、過失が認められない事例もあります。
・火災発生して消火終了後に、
1時間後に残り火で再火災がおきた
・コンセントがしっかりと刺さっておらず、
埃が燃えて(トラッキング現象)火災がおきた場合
・ストーブの周りに可燃性の物をおかずに、
寝てしまった場合の火災
このような不注意では?という事例でも、
重過失が認められずに損害賠償請求ができなかったケースもあります。
もちろん上記の様な場合でも、全く同じ状況はないので、結果的には裁判官の判断が必要です。
自身の火災保険で対応をする
![自身の火災保険で対応をする](https://hironakafp.com/wp-content/uploads/2020/03/623dfd66a6de7301cbd2ee815ff30348_s-1.jpg)
隣家からの延焼で、あなたの家が類焼してケースでは、補償は自身の保険で保険金をもらうことが出来ます。
通常の火災保険に入っていれば対応できます。
ただし、家財は、特約などをつけていなければ保障されませんので、気をつけてください。
また、保険には類焼損害保障特約という、
近隣に火が燃え広がった場合に保障してくれる保険もあります。
火災があった後は絶対にそこに住まないという人は入る必要があまり無いかもしれませんが、近所の目が気になる人は入っていても損はない保険でしょう。
他にも、個人賠償責任保険などに入っている場合にも対応ができます。
個人賠償責任保険は、他人に怪我や、物を壊した際に保証される保険で、子供がいる家庭では加入している人も少なからずいます。
この特約も免責事項がもちろんあり、重過失がある場合には保険金がおりないケースもあるので注意が必要です。
まとめ
![隣地のもらい火で延焼した場合 まとめ](https://hironakafp.com/wp-content/uploads/2020/04/mamechi1110017_TP_V-1024x646.jpg)
自宅などの高額の資産の場合は、万が一があった後では取り返しがつきません。
住宅ローンに加入している人は火災保険に加入していますが、その火災保険だけで十分にカバーできているのかも、確認するのをオススメします。
家財保険や個人賠償責任保険、類焼損害保険特約、または、地震保険など、建物には様々な保険が組み込めます。
万が一に備えて、見直しするのも一つの方法です。
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