普段はあまり使わない公的書類で大切な契約や融資、相続などで必ず使う戸籍謄本・戸籍抄本・住民票について解説します。
普段使わないからこそ、複数の種類があり、どんな意味があるのかわからずに役所で取得している人も多いでしょう。
今回は、その種類やどんな意味があるのかをお伝えしていきます。
戸籍とは 謄本と抄本の違い
まずは、戸籍ですが、大きくわけて、戸籍謄本(こせきとうほん)と戸籍抄本(こせきしょうほん)の二種類があります。
通常使われるのは、戸籍謄本を使いますが、使用用途によっては戸籍抄本でも代用できます。
・謄本は原本の内容すべてを写した書類
・抄本は原本の一部を抜粋して写している書類
二種類の違いは、どこまで記載しているのかです。
抄本は、個人だけの情報を抜粋して写されています。
なので、個人事項証明とも呼ばれています。
戸籍謄本は全て記載されているので、全部時効証明とも呼ばれています。
戸籍抄本は、誰の戸籍を必要としているのか指定する必要があります。
戸籍には下記の事項が記載されます。
1. 両親や養父母の名前
2. 生年月日
3. 続柄(戸籍の筆頭者〈戸主)との関係〉
4. 出生地と出生の届出人
5. 婚姻歴、離婚歴、認知、養子縁組
以上の5つなどが記載されます。
戸籍には生存している人の現在戸籍と亡くなられた・結婚・離婚・転籍した際の除籍戸籍と呼ばれる2種類があります。
しかし、戸籍には、現在戸籍と除籍ともう一つの種類が存在します。
改正原戸籍と呼ばれる書類です。
改正原戸籍(かいせいはらこせき)とは
法律の改正で戸籍の形式に変更があった際に、今までの旧型式のものは、改正原戸籍扱いになりました。
所謂、書式などが昔の状態の戸籍と言えば、わかりやすいでしょう。
直近でいえば、今の戸籍の表記は横書きですが、少し前は縦書きになっています。
縦書きの戸籍は前の書式になるので、改正原戸籍扱いとなります。
戸籍の附票とは
戸籍の住所を結ぶ為の書類で、住所を変更した際には本籍地の役所に知らされ、戸籍の附票に住所変更したことが記載されます。
本籍地の移動がなければ、その間の住所変更が本籍地の役所で、戸籍の附票を取得する事でわかります。
住民票では、一つ前の記載しかないので、複数回転居している場合は、便利な書類です。
相続で戸籍書類を集める場合
被相続人が亡くなった場合、不動産や株式、現金も含め、相続人に権利が移転します。
その際に、誰が、どこまでが相続人になるのか確定させないと、財産を分けるに分けられないので相続人の特定をする必要があります。
相続人が全員揃ってから、遺産分割協議を行い相続財産の分割を行う事が出来ます。
例えば、全員揃ってない状態で行われた、遺産分割協議は無効になってしまいます。
必要なのは、被相続人の出生~亡くなるまでの戸籍と相続人の戸籍が要ります。
現在戸籍・除籍・原戸籍がありますので、基本的には亡くなった時の本籍地の役所から戸籍を取得し、出生地まで遡り戸籍を取得していく必要があります。
その戸籍を全て取得した後に、記載されている結婚、離婚、子供、養子縁組などの情報を集め、相続人が確定し、やっと遺産分割協議が出来ます。
住民票の写し
住民票にも謄本と抄本がありますが、前述した戸籍と同じ内容です。
一部記載と全部記載の違いになります。
住民票は現住所と世帯構成、氏名、筆頭主、本籍が記載されます。
外国籍の方で通称の登録をされている方は、通称が記載されます。
通称の登録されている場合は省略出来ません。
日本国籍の方で旧氏の登録をされている方は、旧氏が記載されます。
こちらも登録されている場合は省略出来ません。
記載選択項目
共通項目:世帯主・続柄、個人番号、住民票コード
日本人の方:本籍・筆頭者
外国人の方:国籍等、中長期在留者・特別永住者等の区分、在留資格、在留期間等、在留期間等の満了の日、在留カード等の番号、通称の履歴、氏名のカタカナ表記
住民票の除票
住民票の除票とは、住所の変更、死亡などで登録が無くなった住民票になり、一定期間が経つと削除されますが、期間内であれば取得する事が出来ます。
不在住証明書
不在住証明書とは、指定した住所にその人の氏名では住民票の写しや除票がないと証明する書類です。
その他の書類
戸籍や住民票以外にも公的な書類は複数あります。
就職や婚活など様々な場面で利用されていますので、その一部を紹介します。
身分証明書
禁治産・準禁治産、成年後見の有無、破産の通知の有無を証明します。
資格取得や就職の際に必要になってきます。
禁治産とは、心神喪失の常況にある者を保護するための後見をつけることで、禁治産者とは現在の成年被後見人をいいます。
準禁治産とは、心神耗弱者等意思能力が不十分な者や浪費者に対して、保佐人の同意なしに財産上の行為をすることを禁じたもので、準禁治産者とは現在の被保佐人のことをいいます。
独身証明書
独身であることを証明します。
結婚相談所等に提出する場合があります。
日本人が外国人と外国の法律に基づいて婚姻する際に使用する証明書ではありませんのでご注意下さい。
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