不動産を所有している場合には固定資産税の納税義務が生じます。
宗教法人などは固定資産税は非課税ですが、一般の人は毎年高い税金を払う必要があります。
実は、この固定資産税には5種類の税金が軽減される制度があるのを知っていますか?
また、税金は正しく徴収されているケースだけではありません。
役所の人が間違えて多く税金を課税しているケースも稀にありますので、あなたの固定資産税が正しく課税されているかを確認する方法もお伝えしていきます。
固定資産税は何に課税される?
固定資産税は、土地や建物を持っている人に課税されます。
市町村が掛けている税金で、滞納した場合には、最悪のケースでは差し押さえをされます。
差し押さえされた場合には、当該土地建物などの不動産は使用出来なくなります。
さらに、信用情報がブラック扱いをされるので、借入などが数年間は出来なくなってしまう損害を受けるので、滞納しそうになった場合には、すぐに役所の固定資産税課などに相談をしにいきましょう。
土地の場合には、その形状や大きさ、使用している用途によって、課税評価額が変わり、結果的に納税金額が上下します。
その中でも、更地や駐車場などが一番高く、農地や住居系の建物が建っている場合が土地の固定資産税が最も安くなります。
調整区域の狭小地の場合では、納税額が一定以上を満たさない場合に非課税となり、納税する必要はありませんが、価値がない土地になるので持っていてもなくても変わりません。
むしろ、売れずに残ってしまう土地になるので、将来的な区画整理などを待つか、隣地に買って貰うなどしか方法はありません。
固定資産税は、毎年1月1日の所有者に対して課税されます。
もし売買などで取引をする際には、日割り計算を行い税金などを按分するケースが通常です。
東京であれば、1月1日から12月31日基準で、静岡の一部地域から以西で4月1日から3月31日基準での按分計算です。
固定資産税の決め方
市町村が徴収しますが、計算方法は国が決めています。
固定資産税評価額を市町村が算定して決まっている税率の1.4%を課税されます。
一部地域では、違うこともありますが、ほとんど全国一律で課税されます。
評価額の算定も、土地と建物で計算方法が異なります。
土地の場合には、公示価格などから土地の形や道路の状況などを加味して役所の職員が計算します。
土地自体の評価額が決められ、用途毎に固定資産税課税標準額が決められます。
最近では、航空写真などで土地の大まかな現況などを把握しています。
建物の場合には、木造や鉄骨造、鉄筋コンクリートなどの建物構造で金額が変わります。
今では、建物の図面や現地の簡易的な見分調査で終わりますが、何十年前では家の中に入ってきて様々な所を役所の職員が調査をして計算をしていました。
基本的には、3年毎に評価額は変更します。
ただし、土地の用途変更があった場合には、3年を待たずに税額が変わることにも注意が必要です。
それ以外の変更は、土地の地価に合わせて上下していきます。
建物に関しては、再調達価格も計算式に組み込まれるため、継続して下がり続ける訳でなく、評価額が下がらない時もあります。
支払い方法は、納税通知書が届くので、一年分を纏めて支払う方法と4回に分けて納付する方法の2種類があります。
地域によっては、クレカでの支払いも可能になっている場合もあります。
計算例
例えば、評価額が4200万円の場合で、
固定資産税は、年間約58.8万円です。
4回に分けても、14.7万円になるのでサラリーマンで支払い続けるのは大きなお金になります。
この計算は軽減を受けていない場合になるので、高い税額になっています。
税金を軽減する制度
マイホームなどを所有している、畑などを所有している人に対して高額の税金を課税していては土地を持つ人がかなり少なくなってしまいます。
そんな事態にならない様に、国としては税金を軽減して土地の所有者の用途毎に困らない様にしてくれています。
軽減制度は5つの種類があります。
①住宅用地の軽減
人が住む建物が建っている場合には、最大で評価額を6分の1まで減らす事が出来ます。
都市計画税は3分の1までです。
面積によって、軽減幅が変わります。
下記の表を参考にして下さい。
敷地面積 | 固定資産税額 | 都市計画税 |
200㎡以下 | 評価額×1/6 | 評価額×1/3 |
200㎡を超える | 評価額×1/3 | 評価額×2/3 |
例えば、前述した4200万円の土地が150㎡だった場合には、4000万円を6分の1にしたら700万円になり、1.4%の税率を掛けると年間9.8万円の税額になります。
58.8万円は支払えませんが、年間9.8万円であればまだ支払う事が出来ます。
また、住宅以外の用途も含んでいるケースでは、軽減幅が面積次第で減っていく事にも注意が必要です。
②新築の軽減
住宅を新築した場合には、建物に掛かる税金が一戸建ての場合には3年間固定資産税が2分の1に軽減されます。
マンションの場合には、5年間2分の1に軽減されます。
ただし、2022年3月末での新築がこの軽減に該当するので、その後は延長するのか、軽減出来なくなるかはまだ決まっていません。
不景気が続けば、継続する可能性は高いです。
例えば、建物が固定資産税評価額2000万円の戸建てでは、3年間は年間28万円の税金が、14万円に軽減されます。
③耐震リフォーム、建て替えの軽減
耐震基準前の建築物の建て替えかリフォームをする事でも軽減を受けられます。
旧耐震基準の建物を解体して、新築すると3年間固定資産税が免除になり、税金を払わなくていいです。
リフォームの場合には、1年間になります。
④バリアフリー軽減
2007年以降に建築された建物をバリアフリーにリフォームする事で軽減を受ける事が出来ます。
工事が完了して翌年の1年間が建物面積100㎡までに限り3分の1に軽減されます。
⑤省エネリフォームの軽減
2022年3月末までに省エネリフォームをした場合に建物面積120㎡まで1年間3分の1に軽減されます。
ただし、下記の条件を全て満たしていなければいけません。
- 自己所有の建物
- 2008年以前に建てられている
- 床面積が50㎡~280㎡以下
- 建物の1/2以上が居住用
- 窓のリフォーム工事を行う
- 改修が2013年の省エネ基準相当に適合している
- リフォーム費用が50万円以上
市町村の評価額には注意が必要
固定資産税を計算する評価額は、各市町村が各自で計算をしています。
なので、稀に起こる事ですが固定資産税の評価額の計算を間違える事があります。
たまに固定資産税を10年~20年ほど多く徴収され続けたと新聞にも載りますが、人間が計算して処理を行うので間違った評価をされている場合もあります。
もし他の人と話していて、税金が高すぎると感じた時には、役所の固定資産税課に相談を行うのがいいでしょう。
固定資産税評価額のよくある間違い
固定資産税でよくある間違いが、6分の1の軽減が計算されていないケースです。
評価額を元に、固定資産税評価額は計算されますので、納税通知書を見て計算をすればすぐにわかります。
建物の間違いは、床面積が違う場合です。
建物を買った当初に売買契約書もしくは、注文住宅の場合には、建築確認書などで床面積は把握できます。
最も確実なのは、法務局で建物の登記簿謄本取得すれば、床面積が書いてあるので、その面積と違う場合は訂正してもらいましょう。
ただし、リフォームなどで増築している場合には、役所独自で計測して調べているので、未登記でも課税される場合があります。
固定資産税の軽減措置 まとめ
土地や建物を所有している場合には、固定資産税は必ず課税されてきます。
少しでも、税金を少なく出来るのに気付いていない場合には大きな損失です。
制度内容をしっかりと把握して損をしない様にしていきましょう。
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