生命保険での相続税対策【相続人に生命保険を掛けて節税】とは?

三世代生命保険での相続税対策【相続人に生命保険を掛けて節税】とは?の家族の人形生命保険

保険会社も勧める人が多い相続税の保険での対策。

子供や孫などの直系卑属に生命保険を掛けることで、相続税を節税することができるとは、どの様にするのか?

生命保険は万が一の保険、毎年の保険控除だけでなく、実は、相続時にも節税対策として活用する事ができるのです。

使い方が難しいので、わかりやすく解説していきます。

子や孫に生命保険を掛けた場合の相続税

子や孫に生命保険を掛けた場合の相続税

子や孫に生命保険をかけ、その保険料を親や祖父母などの直系尊属が支払っている場合、生命保険は相続財産になります。

しかし、その生命保険の相続税での評価額は解約返戻金がいくらかで決まります。

解約返戻金は、生命保険を解約した際に支払われる金額です。

解約返戻金の金額は、満了時までの日数が近いほど、支払った保険料に近づいていきます。

例えば、祖父が孫に終身保険1,500万円掛けた場合で、解約返戻金が600万円だった時に、祖父が亡くなった時の相続税の評価額は600万円になります。

これは、900万円の相続評価を節税できたことになります。

保険料の残存期間は相続した人が支払いを続けていきますが、解約返戻金は基本的には満了時になるまでは掛けた保険料よりも少ない金額になります。

保険料を支払った期間が短いほど解約返戻金の戻ってくる率は低いです。

つまり、解約返戻金で安くなっている金額だけ相続税の評価額は低くなります。

また、祖父が孫に定期保険を掛けた場合は、定期保険の解約返戻金はないので相続評価にはなりません。

※定期保険とは
保険期間が決まっている生命保険になります。
掛け捨ての保険のことです。

生命保険で相続税対策 目安の金額

生命保険で相続税対策 目安の金額

積み立ての生命保険は、加入した当初は解約返戻金は少なく、満期に近づくと支払った保険料に等しくなる物が大半です。

時期を見計らうのは大変ですが、解約返戻金が少ない時期に被相続人が保険料を支払うことで、前述した解約払戻金で節税の活用ができます。

保険料は、毎月一定の保険が多いでの、早めに行動することが重要です。

生命保険をかけて1年目に死亡した場合の節税効果

生命保険をかけて1年目に死亡した場合の節税効果

例えば、10年満期の保険で、親などが1年目に死亡し、子が生命保険を相続した場合、解約返戻金の金額は0円です。

相続人が自身で残存期間の保険料を支払い、10年目に満期を迎えた場合は1,000万円とプラスの満期保険金を受け取ることができます。

トータルで見ると相続人は900万円で、1,000万円の満期保険金を貰えることになります。

もちろん、相続税の評価は解約返戻金が0円の場合、相続税評価額も0円になります。

生命保険をかけて9年目に死亡した場合の節税効果

保険金の支払いをして9年目に亡くなり、相続人が生命保険を相続した場合、解約返戻金の金額が700万円の場合は、900万円分の支払いがあっても、相続評価は700万円になります。

相続後に相続人が残存期間の保険料を支払えば、10年目に満期時の満期保険金は1,000万円プラス利息がもらう事ができます。

実質、相続評価を200万円下げる事ができたことになります。

生命保険をかけて10年目に死亡した場合の節税効果

生命保険をかけて10年目に亡くなった場合、相続人が生命保険を相続した際には、解約返戻金の金額は1,000万円ですので相続税評価額も1,000万円になります。

満期以降では利率がつくので、1,000万円を超える可能性が高いです。

そのまま現金で残されたと同じ効果になります。

ただし、保険金が満額残るということは、そのお金で納税することができるので、納税対策としては満点の効果を得ることができます。

この節税手法は、なるべく長い期間の保険で対応するのが節税効果は高いです。

解約返戻金が後々上がる生命保険

解約返戻金が後々上がる生命保険

初期の頃は解約返戻金が少額で、後半になると解約返戻金が上がる生命保険もあります。

逓増(ていぞう)定期保険(初期低解約返戻金型)

逓増定期保険は、期間満了すれば保険金額が当初の解約返戻金の数倍になる定期保険になります。

初期の解約返戻金が少額になるので、相続人に生命保険をかけて、相続税の節税対策をするのであれば逓増定期保険がオススメになります。

生命保険金等の非課税枠で相続税対策をする方法

ご存知の方も多いと思いますが、生命保険金には相続時の非課税枠があります。

500万円×法定相続人の数が非課税となり、生命保険金の金額から非課税額を差し引くことができます。

例えば、法定相続人の数が3人の場合、生命保険金等の非課税額は500万円×3人で1,500万円になります。

生命保険金等の金額が1,500万円以下であれば相続税が課税されません。

生命保険金を一時所得で受け取り相続税対策をする方法

生命保険の保険料負担者(支払いをしている人)と受取人(保険金を受け取る人)が同じ場合、この生命保険金に対しては、所得税の対象になります。

今までとは逆で、子が親に生命保険を掛けて、保険料と支払われると保険金を両方が子が受け持つと、生命保険金は所得税の対象になります。

相続税の節税ではなく、相続税の納税対策で使われる事が多です。

生命保険で相続税対策をするメリット

生命保険で相続税対策をするメリット

生命保険には節税だけではなく、それ以外のメリットもあります。

ここでは、大きな例を3つ上げてご説明します。

受取人だけで手続き可能

生命保険金は他の相続人の許可を得ずに、受取人だけで受け取ったお金を自由にできます。

通常であれば、故人が遺言書を作成していない場合は相続人全員の協議で遺産の分け方を決める必要があります。

遺産を分ける為の、分割協議書がなければ故人の財産は使うことができません。

相続放棄しても受け取れる

相続放棄は預貯金などのプラスの財産も借入などのマイナスの財産も全て相続をしない手続きになります。

被相続人が高額の借金があったとしても、相続放棄をすると借金は関係なくなります。

相続放棄をしても、生命保険金は受取人になっていれば、受け取ることができます。

相続には単純相続(全てを相続する)、限定相続(借入などがある場合、財産を超えたマイナスは相続せず、プラスマイナス0の財産までは受けるなど)、上記の相続放棄の3種類から選べます。

相続放棄についてはこちら記事で詳しく解説しています。

遺留分の対象とならない

相続人の対象になっていれば、よほどの状況でない限り、最低限の遺産貰える権利があります。

この最低限の遺産を受け取れる権利が遺留分になります。

自身に遺産を分けられない遺言書などがあっても、他の相続人に対して遺留分を請求できます。

生命保険金の受取人にしておけば、遺留分の対象外になりますので、資産を残したい相続人に遺産を渡す事ができます。

下記の記事で遺留分についての問題を解説しています。参考にして下さい。

生命保険での相続税対策 まとめ

生命保険での相続税対策 まとめ

相続対策は、急いで行うと失敗をする場合があります。

相続税の対策をしたつもりが、実は全くできていない、申告はしたが修正申告で税金が余分に取られた、兄弟と争続状態になってしまったなどがあります。

そんな状態にならない為にも、相続人が元気なうちに相続対策を始める必要があります。

まだ、先の話と行動をしないよりも、保険と同じで万が一の時に備えると言う気持ちで対策や次世代の方に引き継ぎを行なっていきましょう。

他にも一時所得による生命保険の相続税対策もありますので、下記の記事を参考にして下さい。

また、通常の保険で迷っているのなら下記の記事を参考にしてください。

国税庁リンク

生命保険
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