相続してすぐに土地や家などを売却をするのは、損をするのでしょうか?それとも得をするのでしょうか?
相続直後に不動産を売却しようとすると、足元を見られて、値切られるという噂があります。
これは本当なのでしょうか?
実は、この噂は半分が本当で半分が嘘になります。
なにが本当で、なにが嘘か。
売却のタイミングは相続の前と後でどちらが得なのか、詳しくお伝えしていきます。
不動産はなぜ相続で安く買い叩かれるという噂が出回っているか
まず、相続税には納税期限が決められています。
相続税の申告期限は、被相続人の死亡を「知った日」の翌日から10ヶ月以内と定められています。
この期間内に準確定申告や分割協議なども含めて、納税もしなければいけません。
延滞した場合は、納付期限を過ぎた2ヶ月以内と超えた期間で数%の延滞税率の違いありますので注意しましょう。
つまり、多額の納税を期限内に行わないといけないので
「あそこの売主は売り急いでるぞ」
「急いでるなら安く買えるのでは?」
と、この様な形で噂が広がったのです。
相続時の不動産売却は安く値切られる?
今回の本題ですが、冒頭でお伝えした通り、半分は本当、半分は嘘なのです。
では、なにが本当で嘘なのかですが、その土地の状況によって変わります。
人ではなく、土地です。
つまり、相続時に売却して足元を見られるかどうかは、売却する土地が安く売らなければ売れないのかで決まります。
相続での不動産売却で安くなる可能性がある土地
安くなる土地は人気がない土地です。
人気がないというのは、買う人が少ない土地になります。
土地はオークションに近い取引ですので、人気がなければ近隣の価格が下がり、それに付随して当該土地の値段が下がります。
さらに、売り急いでいるとなれば、しょうがないから安く買ってやるかという心理になります。
周りに分譲が建っていない土地や直近で土地の売買があまりされていない地域が人気がない土地になります。
ただし、高級住宅街や商業地は人気があり過ぎて、誰も売却しないため売買があまりされてない地域もあります。
また、個人間で売買する場合も安く売却するのと似た現象が起きます。
他に競合がいないため、相場を知らない人が騙されて値段は安くなる可能性があります。
相続時でも不動産を高く売る方法
相続時でなくても一緒ですが、複数の不動産会社に依頼するのがベストです。
一つの不動産会社に依頼すると、その不動産会社が付き合いがある買主に安く売却を行うことがあります。
「今回は、素人の売買ですから、安く買えますよ」という悪徳不動産もまだいますので、気を付けて下さい。
そんなことにならない様に、複数の不動産会社に任せることが必要です。
特に、専任媒介や専属専任媒介は結ばない方がいいです。
不動産を売却するタイミング
高齢の方は、自分が元気な間に不動産を売却するか、相続させるか判断がつかない人も多いです。
迷った結果、何もせずにいる人が非常に多いです。
また、愛着があり売却できない人も多いです。
では、実際は相続の前と後でどちらがお得か見ていきましょう。
相続の発生前の売却は得なのか?
相続税は、死亡した人の財産を相続や遺贈によって受け取る人が納める税金です。
不動産は相続発生後に遺産分割協議(相続する人達でどのように分けるかを決める)を行います。
その財産を兄弟間などで争い、分割協議が進まないことも近年は多いです。
所謂、争続問題です。
対策としては、不動産をお金にしておけば、相続時に相続人で分割が簡単にできます。
しかも、現金にしてしまえば、暦年贈与の金額で渡すことができますので、節税のメリットもあります。
しかし、相続前の不動産売却に対する税金は控除がある場合は少ないです。
相続後に不動産を売却するメリット
不動産を相続人が相続した後に売却した場合は、相続発生から10ヶ月後の翌日が起算日となり、その3年以内に相続した不動産を売却する場合には、譲渡所得の計算時に、支払い済みの相続税のうち売却した不動産の相続税分を「取得費」として加算できる制度があります。
これを「相続税の取得費加算」といいます。
相続不動産をこの期間に売却した場合、譲渡所得税を減らすことができます。
ただし、支払った相続税の内、売却した土地分の割合だけです。
相続税の元となる課税金額ですが、相続税の課税対象となるのは、不動産の場合は売却時の金額(時価)ではなく、土地は「路線価」、建物は「固定資産税評価額」によって計算されるので、課税評価額は売買での実勢価格よりも安くなります。
これにより課税金額を少なくすることができます。
例えば、5,000万円で購入した土地が3,500万円になれば1,500万円の評価減になり、節税できているというわけです。
不動産を売却して得た「現金」を相続する場合は、現金が課税評価額となるため、課税金額については増えてしまうので、納税金額も増えます。
争続問題もなく、贈与していく時間的余裕がなく、それなりに人気のある地域であれば、不動産は相続後の申告期限から3年以内に売却することが、税務上は一番節税ができます。
不動産売却で納税する注意点
相続税の納税準備をしてない状況で、不動産を売却したお金で納税するというケースが増えています。
ただし、大きな落とし穴があるかもしれないので、注意が入ります。
相続人のタイミングが合わない
相続した資産は原則として、遺産分割協議の合意後に、相続する相続人が確定してからでなければ動かせません。
仮に不動産が自宅だったりすると、反対する相続人がいる可能性があるので、結果として動かすことができず、売却して納税する資金が足りなくなる。
売却して納税しようとしても、買い手がいなくて現金化できないなどの可能性があります。
なので、納税は事前に準備する事をお勧めします。
例えば、生命保険などで準備しておくのもいいでしょう。
銀行からの融資で借りることもできますが、結局は返済と利子が付きますので、負担になります。
保険は事前に支払うことで手元の資金は減りますが、対策としては有効です。
相続で問題になる不動産でも高値で売却できる方法
相続で不動産引き継いだら長期譲渡税になる?
不動産を売却すると、その「所有期間」に応じて、課税される税率が次のように変わってきます。
長期譲渡所得:譲渡した年の1月1日において、所有期間が5年を超えている長期での所有時は所得税15%、住民税5%の税率になります。
短期譲渡所得:譲渡した年の1月1日において、所有期間が5年以下の場合の短期での所有の場合には所得税30%、住民税9%の税率になります。
別途、復興税も課税されます。
贈与や相続で土地建物を所有したら、被相続人や贈与者の取得時期がそのまま引き継ぐことができます。
被相続人が不動産の所有期間5年を超えていれば、相続人が相続後すぐに売却したとしても、5年を超える所有になります。
被相続人の所有が5年未満の場合は、相続後の所有期間と合算になります。
相続での不動産売却 まとめ
相続における不動産の売買は、売却するタイミングにより税金や様々な状況が関係してきます。
相続人たちにとって、どの時期に不動産を売るのがいいか、被相続人が存命のうちに話し合うことも大切です。
相続対策に向けて納税資金対策や生前贈与など、必要な対策を決めていきましょう。
相続時に残しす不動産、売却する不動産、それとも、事前に売却して対策を講じた方がいいかは中々素人ではわかりません。
税理士や信頼のおけるアドバイザーなどを見つけるのがいいでしょう。
相続までの時間があり、遊休地(なにもしていない土地)であれば、売却をするか活用をしていくのが節税効果は高いです。
ただし、別の機会にお伝えしますが、大きな借入が相続対策には有効と言われますが、自分の土地が本当に借入をする価値があるのかは十分に確認して下さい。
不動産は一括査定をすることで、近隣よりも高値で売却できる可能性が出ます。
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