コンバージョン建築とは、今ある建物の用途変更をして、改装を行い新しい建物再生を行うことです。
古くなり入居が悪いテナントビルや商業施設を綺麗にコンバージョンして建物を蘇らせる手法になります。
コンバージョン建築とは何？
コンバージョン建築とは、今ある建物の建築確認の用途を変更して新たに別の用途に再生させることを言います。
例えば、テナントだった貸事務所を改装して、賃貸住宅に用途変更するケースが最近では多いです。
リフォームやリノベーションは、建物をそのままの用途で綺麗に改装をすることなので、用途変更がないため、コンバージョンとは区別されています。
建物を一から建てるよりも費用が安く住むため、中古の投資物件などで、多く行われています。
新所有者が古い建物を安く購入して、コンバージョンを行い賃貸に出すケースは年々増えております。
コンバージョンをするメリット・デメリット
コンバージョンをするメリットは、建物の解体費用が掛からない事がまず上げられます。
元々の建物の駆体を活かした状態で利用するので、新築をするよりも安く建築ができます。
解体して、新築する場合にはかなりの時間がかかりますが、コンバージョンの場合には、工期も短縮する事ができます。
立地がいい都心部のテナントビルなど改装するケースが多く、賃貸需要も見込める地域で行われています。
もちろん、木造でのコンバージョンはほとんどなく、多くがRC造や鉄骨造での建物になります。
テナントビルの場合では、開放感がある作りが多く、部屋の仕切りや窓の採光の取り方も自由度が大きいです。
その反面、部屋の間仕切りがなく新設する費用や、給排水の管やガス管の設置を新たにする必要がある物件も多いので、費用が高くなる場合もあります。
それでも解体からの建て替えよりかは、安くできるので人気があります。
大きなデメリットとしては、築年数の表記が古くなってしまう点です。
築30年のテナントビルをコンバージョンしても、賃貸の募集では築30年の物件と表記されてしまうので、最初から検索除外されてしまうデメリットもあります。
コンバージョン次第では、賃貸仲介をする不動産会社の力量で入居率が左右されてしまいます。
コンバージョンの建築事例の紹介
コンバージョンしている商業施設の数は意外に多いです。
例えば、
・田園調布では、企業の社宅をシェアハウスに変更
・お寿司屋さんを動物病院に変更
・倉庫をギャラリーに変更
・栃木市では、百貨店を市庁舎に変更
・筑西市では、複合商業施設を市庁舎に変更
・山梨市では、電気機器工場を市庁舎に変更
上記のように、官民が行なっているコンバージョンや全く用途が変わっているケースも多々あります。
先入観なく、物件を観察する必要がありますが、建物の新しい価値を創造する事で、新たな商機が見えてきます。
リフォーム・リノベーションとコンバージョンの違い
賃貸経営では、建物の老朽化に伴う入居率低迷が一番の不安材料でしょう。
賃貸経営を長く安定的に続けることは非常に難しいです。
通常であれば、老朽化した場合には、解体して建て替え、物件の売却、物件のテコ入れでリフォーム、リノベーションを行い入居改善を考えていきます。
リフォームは今の物件を綺麗に維持することを指します。不具合などの修理もこれに含まれます。
リノベーションは、既存の建物の価値を再生させることですが、用途は変更せずに新しい綺麗な物件に作り替えます。
例えば、エントランスを綺麗に変える、バリアフリーにするなどがあります。
リノベーションをすることで、部屋の内装をガラッと今時に変えることで、外見が多少古い物件でも入居が改善される可能性が高まります。
ただし、築年数が経っているため、結局は高い賃料をもらうのは難しいのが現状です。
投資に対する費用効果を考えた場合には、あまり高い費用をかけるのは得策ではないのかもしれません。
低コストでリフォーム、リノベーションができるのであれば、コンバージョンする必要は薄れるかもしれません。
コンバージョンの今後の展開
官民含めて多くの企業や自治体がコンバージョンに取り組んでいます。
RCや大規模の施設などであればより高い効果が見られるでしょう。
ですが、リスクがあることも把握しておかなければいけません。
日本は新築主義と言われるほど、新築や築年数にこだわりを持つ国民性があります。
アメリカなどは逆に、古い建物ほど信頼性が高まります。
ここまで残った建物だから、これからも安心だという考えです。
逆に、日本の場合は、古い建物には何か不具合があるのではないかという疑心暗鬼にかかります。
新築であれば、無条件とは言わないですが、安心を持ちます。
賃貸では特に、築年数ごとに検索をかける人が近年では非常に多いです。
その中で、いくら素敵なコンバージョンをしても賃貸住宅の場合には他との競合性が弱くなる可能性があります。
テナントであれば、ネットで検索する人もいますが、口コミや通りがけ、知り合いからの紹介での成約も増えます。
費用対効果がどのくらいになるのか綿密に計算した上で、コンバージョンはした方がいいでしょう。
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