中古住宅の購入を検討される際に、気になるのが中古住宅の傷み具合です。。
新築時でも不具合が気になるのに、中古となれば前の居住者が何年も住んでいて、どこに不具合があるのか素人では判断が出来ません。
そんな時に使えるのがホームインスペクションです。
住宅のプロである建築士が、中古物件の調査を行い、不具合や傷んでいる箇所、後どのくらい住むことが出来るのかを調査報告書で教えてくれます。
今回は、ホームインスペクションにかかる費用や時間について、また、不動産会社との関係をわかりやすく解説していきます。
ホームインスペクションにかかる費用と時間
ホームインスペクションにかかる費用は、どこまでを調査するのか、どんな調査を行うかによって、正確には各社で違います。
しかし、一般的な費用に関しては、機械を使用しない調査では、約5万円からになり、機械を使用した場合の精密検査では約10万円からが標準金額です。
機械を使った調査内容は、
・レーザーレベルや水平器で傾きの確認
・鉄筋造であれば、鉄筋検査器での確認
・木造は木材の水分含有率測定で雨漏りなどの確認
・シロアリ探知器でシロアリ被害の有無の確認
などがあります。
調査も様々になり、屋根裏や床下などの作業が入る場合のは、費用は追加で掛かる場合が多いです。
調査時間は、内容にもよって変わりますが、平均して30坪(100㎡ほど)の住宅であれば2~3時間ほどの調査時間が必要になってきます。
丸一日や何日もかかる作業ではありません。
しかし、中古住宅の場合は、前の住人がいる場合もあり、買主側からのホームインスペクションは気を使う可能性がありますが、高い買い物なので、売主である前の住人が住んでいても、調査することは失礼なことではないので、気負わなくでいいでしょう。
不動産会社とホームインスペクションの関係とは?
2018年4月から、不動産会社が仲介する場合に媒介契約時にホームインスペクションの説明をする義務が出来ました。
これはホームインスペクションを行うことが義務化されたわけではなく、ホームインスペクションとはなんぞやということの説明です。
媒介契約時に、不動産会社からホームインスペクションの内容とあっせん(紹介)の有無を説明します。
もちろん、あっせんする場合においても、「ホームインスペクションを行なっている業者の電話番号を渡して、後は任せます。」ではダメです。
実際にホームインスペクションをするための手伝いをしなければいけません。
見積もりの提示、日程の調整など様々な手伝いを行います。
仮に、ホームインスペクションをした場合には、重要事項説明に不動産会社から買主に内容の説明が必要です。
もちろん、契約前にもホームインスペクションを実地している内容は教えて貰っているでしょうが、不動産会社には、再度説明する義務があります。
ホームインスペクションをしてない場合には、その旨も伝えます。
ホームインスペクションの費用負担
ホームインスペクションの費用は、買主、売主のどちらが負担するかは決められていません。
話し合いで交渉して決めるのが一般的です。
人気のあるエリアで相場の売却金額であれば、買主側の負担、人気のないエリアで相場ほどの売却金額であれば売主負担と決まってはないですが、売主、買主の条件面での折り合いをつけて決めていく事が多いです。
もちろん折半も出来ます。
また、売主としてはホームインスペクションが入ることを拒否する事も可能です。
その買主に限定して売却する訳では無いからです。
不動産会社とホームインスペクションの問題点
不動産会社とホームインスペクション会社は共に業者です。
業者同士で、常に依頼をしていれば、持ちつ持たれつの関係になっている可能性もあります。
折角、第三者の建築士などでホームインスペクションを行なっても、不動産会社から調査結果をある程度ごまかしてと言われて対応している業者もいる可能性もあるでしょう。
明らかな不具合は隠しませんが、少しの問題であれば隠してしまう可能性もありますし、厳しい調査ではなく、甘い調査かもしれません。
また、後から発覚しても「そこは調査箇所に該当して無いため、調査はしてないので知りません」と言われる可能性もあります。
あくまでも、可能性の話であり、すべての業者が悪徳ではありません。
ただし、一部には悪徳業者がいることは把握しておいて下さい。
もう一つの問題点は、不動産業者がホームインスペクション会社をあっせんした場合ですが、その場合の報告書の説明は不動産会社から行われます。
ただ、不動産会社はあくまでも土地のプロであり、建物はそこまで詳しい人はいません。
中には、詳しい人もいますがほとんどは素人より少し詳しい程度です。
調査内容の細かい部分の把握はしていないでしょうし、そこから読み取れるリスクなどの話も、ホームインスペクションから言われたことしか伝えられません。
まとめ
もし、中古住宅で不具合が心配なのであれば、買主側からホームインスペクションする会社を選定して行うことが安心に繋がるでしょう。
ただし、ホームインスペクション会社も様々な会社があり、怪し会社もあるのが懸念材料ではあります。
今までの実績と、社員の人数や調査員となる人が建築士などの資格を持っており、今までの仕事の経歴もわかれば安心して任せられる材料になっていきます。
40代で今まで別の仕事をしており、少し前に一級建築士の資格を取得した人と
同じ40代で、20代から建築関係の仕事をしており、数年前に1級建築士の資格を取得できた人のどちらに依頼をしたいでしょうか?
もちろん後者になると思います。
会社でもそうですが、調査員となる人や会社に対して安心できるところに任せることが安心材料になるでしょう。
コメント