賃貸住宅やマイホーム住宅を購入する時に「気になること」「気を付ける事」は非常に多いです。
立地関係や周辺の状況など不動産会社に聞いてみたり、現地に行かなければわからない事もたくさんあります。
不動産会社の説明義務の中に、嫌悪施設の告知がありますが、事故物件同様どこまで説明するのか、何が嫌悪物件なのか境目が曖昧になっています。
今回は、何が嫌悪施設になるのか、どんな問題、トラブルになるのかを解説していきます。
嫌悪施設とは
嫌悪施設は（けんおしせつ）と読みます。
呼び名の通りに、人が嫌悪感を感じる施設のことです。
不動産会社が守る法律の宅地建物取引業法では嫌悪施設の存在を知っていれば、購入（賃貸）しなかったであろう事柄は、事前に説明する責任があります。
当該物件から多少の距離があっても、一定以上の要件に該当する物件の場合は存在を告知しなければいけません。
ただし、どの程度の距離で、どこまでの施設を嫌悪施設なのかは定まっておらず、人それぞれ嫌悪する物件があるのも問題になっています。
不動産業界で言われている嫌悪施設
嫌悪施設は主に生活に対して影響があるもの、人体に対して影響があるもの、心理的に影響があるものがあげられます。
下記に影響と当該施設の一覧を記載します。
| 状況 | 施設例 |
| 騒音や振動の発生 | 航空基地、高速道路等の主要道路、地下軌道、鉄道、飛行場、大型車両出入りの物流施設 |
| 煤煙や臭気（悪臭）の発生 | 工場、下ごみ焼却場、火葬場、水道処理場、養豚・養鶏場 |
| 危険を感じさせる | ガスタンク、危険物貯蔵施設、高圧線鉄塔、危険物取工場、ガソリンスタンド、暴力団組事務所 |
| 心理的に忌避される | 刑務所、墓地、葬儀場、風俗店 |
複数の施設が該当しますが、その影響についてお伝えしていきます。
公害・騒音のある施設
大きい通りでトラックなどがよく走る道路や電車の線路、工場、資材置き場が近くにある場合には、騒音や粉塵、振動、臭気などを発生させるケースが多いです。
現地を見に行けば大体分かるケースが多いですが、内見で土日祝日のみ現地に見に行き、工場が休みのため引っ越してから気付くケースもあります。
心理的に忌諱される施設
風俗店や暴力団事務所、刑務所、街宣車の駐車場があります。
また、パチンコ屋も地域によっては嫌悪される場合があります。
そして、葬儀場や火葬場、墓地なども心理的には好まれません。
特に暴力団事務所、風俗店は隠れた場所にある可能性があるので、要注意です。
不動産会社も少し遠い、大通りを挟むなどを理由に説明しないケースもあります。
どこまでが告知義務に該当するかが不明確なので、担当している不動産会社、所有者によって内容が異なります。
親切な不動産会社では、神社、寺、病院、古戦場跡地なども教えてくれます。
騒音、粉塵の原因として、幼稚園、保育園、小学校なども嫌悪施設として見られる場合があります。
嫌悪施設は何を嫌うか人それぞれになるので、トラブルを避けるため、疑いがある施設は盛り込む不動産会社も多いです。
特にマイホーム住宅を購入する場合は、住み替えることはほとんどないので、事前に近隣の調査をしていきましょう。
地図を持って、周りを200m四方歩くだけでも、状況はわかります。
わかりにくい嫌悪施設
一般的な嫌悪施設は分かりやすい立地でありますが、住まないと気づきにくい嫌悪施設があります。
住んでから、「こんな事になるなんて」と思わないようにしっかりと調べていきましょう。
一般住宅だと思ったら実は嫌悪施設
外から見ると普通の住宅ですが、車庫のシャッターを開けると日中だけ工場をしている場合があります。
工作機械の音や隣地であれば、油などが自宅に侵入して土壌汚染になる場合もあります。
また、ピアノ教室などの音楽教室をしている場合は、日中に音が鳴り響きます。
これは、時間帯を変えて現地を見学に行くか、近隣の数件に、聞き込みをする必要があります。
人によっては、地域の恥だから言わない、自分は気になっていないという人もいるので、数件に聞いた方がいいでしょう。
まさかの嫌悪施設
前述しました学校や神社、寺、または公園なども嫌悪施設になる可能性があります。
普段であれば小さい子供が遊んでいて微笑ましい状況ですが、学校であれば送迎の時間に渋滞して家に帰るのに無駄に時間が掛かります。
さらに、違法駐車が多く、道が狭い、登下校の騒音や子供が道で遊ぶ為、車の移動にストレスを感じる事もあります。
公園や神社では、お祭りや行事の季節になった場合に、上記と同じ状況です。
公園も、不審者が夜中に集まっている可能性があります。
それぞれの施設は、近くにあった方が良い施設ですが、季節や時間によっては迷惑に感じる可能性があるので、その場所でどのような行事があるかは調べておきましょう。
店舗が嫌悪施設になる可能性も
近所に店舗があれば、生活が便利になり良いと考える人が多いでしょうが、こちらも一つ間違えれば嫌悪物件になる可能性があります。
隣地に飲食店がある場合は、害虫やネズミなどが高確率で自宅にも来ます。
新築時は害虫、害獣はいないでしょうが、年月を経てば移動もしてくるでしょう。
コンビニやスーパーでも、素行が悪い人が溜まり場とする場合もあります。
コンビニにクレームを入れてもそこまでの対処は望めません。
また、今の店舗がそのまま、あり続ける可能性も少ないです。
飲食店が、風俗店に変わる事もあります。
そうすると深夜に騒音を出す人がいます。
店舗だけでなく、コンテナなども死角が多くなるので、泥棒や犯罪が起こる可能性があります。
近所の家が嫌悪施設に
ゴミ屋敷や騒音を出す近隣の人もいます。
初めからその状態ならわかりますが、途中でそうなってしまうケースも多々あります。
子供や配偶者が居なくなってしまって、家庭環境が変わり、問題のある近隣になってしまったという話もよく聞きます。
また、上記以外にも動物をたくさん飼っている家は要注意です。
飼っていなくても、餌付けをしている人もいます。
動物が多く集めれば、糞害もあり、臭気も出てきます。
動物は可愛いので私も好きですが、世話がされていない動物はお互いが不幸になります。
住む前だけでなく、住んでからも近隣との関係は持ってなにかあったら早期に解決できる近所関係が築けるのが一番いいでしょうが、現代では中々難しいです。
嫌悪施設の調べ方 まとめ
嫌悪施設は一般的なものであれば、告知はされますが、その距離や嫌悪施設の範囲はひとそれぞれになります。
見た目でわからないものありますので、現地に行き物件周辺もしっかりと確認して下さい。
マイホーム住宅は高額な買い物なので、時間を惜しまず何度も現地に行きましょう。
近隣の施設や店舗、行事も確認出来れば購入してからや賃貸に住んでから、後悔することは少ないです。
知らなくて住んだ場合は後悔が大きいですが、知っていて購入すればまだ我慢ができるかもしれません。
安くなるからといって安易に購入するのではなく、近隣の人と話して表情を見ればどれだけ嫌なのかも判断がつきますので、是非、近隣の人には声を掛けてください。
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