住宅ローンが払えない「万が一は、そんなにない」とみなさんが考えますが、リーマンショック、コロナショックと10年に一度経済危機が訪れています。
失業者と給与の減額が報道されていますが、もしもあなたにそんな危機が訪れた時の対処方法は考えていますでしょうか。
賃貸物件に住んでいれば、まだ部屋を引っ越すなどすれば被害は最小限になるかもしれませんが、マイホームを購入しており、まだローンが残っていたらどうするのでしょうか。
そんな危機的状況に対応できるのが、個人再生と呼ばれる制度になります。
そして、住宅ローンを抱えている人に有効なのが、その中に住宅ローン特則という制度があります。
これは、自宅を所有したままどうやって返済していくのかを金融期間と相談できるようにしてくれる個人再生の一つの活用方法になります。
通常、ローンの滞納をした場合には、自宅は競売にかけられ居住者は立ち退きを強制されます。
そんな状況にならないための、最後の対策になります。
住宅ローン特則とは
個人再生の中に、正式名称で住宅資金貸付債務に関する特則と言われる制度があります。これが、住宅ローン特則になります。
マイホームは、個人が困窮した場合に、立ち直りができる最後の砦になります。
住居が無くなった場合には、そこから立ち直ることは時間と労力が大きくかかってしまいます。
そこで、返済が可能な範囲で金融機関との調整を図り、住宅を失わせないようにするのがこの制度になります。
住宅ローン特則のメリット・デメリット
一見すると、メリットしか内容に見えますが、もちろんデメリットもあります。
住宅ローン特則 メリット
一番のメリットは、自身の住まいから立ち退きをしなくていいことです。
住居を失った場合には、生活基盤が無くなり、再建が難しくなります。
住宅ローン特則 デメリット
デメリットは、信用情報に傷が付くことです。
一般的には、ブラックリストに入ると言われています。
この制度を問わず、個人再生した場合には、暫くの間、新規のローンとクレジットカードの作成が困難になります。
ただし、この制度を使うまで追い込まれた状態になっているのであれば、ローンの滞納をした方が、深い傷になるので住宅ローン特則を利用した方がいいでしょう。
住宅ローン特則の種類
住宅ローン特則は、4つの種類があります。
種類ごとに返済期日や支払う方法が異なります。
種類は自身で選択できますが、自身の状況を踏まえ、弁護士や司法書士と相談して進めていきましょう。
住宅ローン特則 期限延長型
住宅ローンのリスケジュールを行い、最長で10年間の返済期間を延長することができます。
期間の延長をすることで、毎月の返済金額を少なくすることができます。
これは、個人再生を行う前にも、金融機関と相談が可能な為、断れた場合の救済措置で考えて下さい。
もちろん、返済期間は原則的に70歳までになります。
住宅ローン特則 期限の利益回復型
住宅ローンの滞納を既にしている場合には、6ヶ月以下に限り延滞している元金と損害金を5年までの分割で返済することができます。
この型を選択した場合には、従来のローンと併せて分割払いをしなければいけないため、毎月の返済金額はより多くなります。
住宅ローン特則 元金猶予期間併用型
一時的に収入が激減した場合に、期間を延長しても支払いが困難になる場合には、元金の一部の返済を最長で5年間猶予してもらえます。
ただし、返済計画のリスケジュールも併せて行われ、完済年齢が70歳を過ぎることはできません。
住宅ローン特則 同意型
金融機関などの債権者と相談し、支払い方法や契約内容を同意して決める制度になります。
ほとんどの場合には、期間延長やボーナスでの支払いを無くすなどが決められ、借入金の減額ができるケースはほとんどないです。
住宅ローン特則の要件
全ての人がこの制度を利用できる訳ではありません。
下記の要件を満たした場合に、制度の利用ができます。
- 住宅の購入、リフォームの借入であること
- 借入が分割返済の住宅ローンであること
- 借入に対して、抵当権が設定されていること
- 債務者が居住している建物であること
- 床面積の半分以上が債務者の使用する住居であること
住宅ローン特則が使えない人とは
住宅ローン特則は下記の人は使えませんので、ご注意ください。
- 住宅ローン以外の抵当権設定がされている
- 連帯保証人が住宅ローンの返済を行った
- 滞納後6ヶ月が経過し保障会社が金融機関に債務保証を行った
- 自宅が差し押さえを受けた
上記の4点の状態になっている場合には、住宅ローン特則は使えません。
この制度を使うときは、他の方法がない場合すぐに相談を開始する必要があります。
しかし、信用情報でブラック扱いをされてしまうので、出来れば避けたいのが本音です。
その場合には、下記の記事を参考にまずは行動してみましょう。
どうしてもダメな場合には、個人再生で住宅ローン特則を活用して下さい。
最後の砦の自宅だけは守り抜けます。
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