配偶者が不動産を売却《扶養控除・社会保険・年金・健康保険はどうなる?》

配偶者が不動産を売却《扶養控除・社会保険・年金・健康保険はどうなる?》 売買で役立つ知識

扶養されている配偶者などが、土地建物の不動産を売却した場合、多くの場合で130万円以上の収入が発生します。

そんな時に気になるのが、税金の配偶者控除が外れるのか、国民健康保険と国民年金を新しく配偶者が支払しなければいけないのかということです。

今回は、配偶者の収入が一時的に増えた場合の費用負担について確認していきます。

不動産売却で配偶者に影響がある条件

不動産売却で配偶者に影響がある条件

配偶者が不動産売却をした場合、気になるのが下記の3点です。

・税金
・健康保険
・年金

全ての不動産売却が配偶者に影響を与える訳ではありません。

要点としては、不動産売却によって、合計所得が48万円を超えてしまうかです。

※令和2年度から配偶者控除の上限所得が38万円以下から48万円以下に変更されました。
配偶者特別控除は今回は記載しておりませんが、この制度は本記事の内容にも有効です。

不動産を売却した場合、売買代金がそのまま所得になる訳ではありません。

売買代金が収入となり、そこから経費、取得費、控除金額が引かれて所得になります。

例えば、なにも控除がない土地と控除がある土地を売却した場合だと大きく違います。

3000万円の更地を売却した場合

3000万円ー仲介手数料105.6万円ー取得費150万円ー経費約44.4万円=所得2700万円

3000万円のマイホームの売却

3000万円ー仲介手数料105.6万円ー取得費150万円ー経費約44.4万円ーマイホームの控除金額3000万円=所得▲300万円 ※分離課税なので合算は出来ません。

二つの事例でも分かる通り控除の有無で、配偶者の所得が大きく違います。

更地の場合は、所得が48万円を超えてしまいますが、マイホームの場合は超えません。

同じ売買代金でも、経費や控除がある場合は配偶者に所得に影響がない場合もあります。

所得が48万以下の場合は配偶者控除に対する影響はありません。

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税金はどうなる? 譲渡税と配偶者控除 配偶者が不動産を売却した場合

税金はどうなる? 譲渡税と配偶者控除 配偶者が不動産を売却した場合

配偶者の税金は売買に対する利益に課せられる譲渡税は必ずかかってきます。

所有期間が5年以内の相続を除く短期での売買は所得に対して約39%の短期譲渡税。

5年を超える長期の場合は約20%の長期譲渡税が課せられます。

譲渡税については、下記の記事を参考にして下さい。

それ以外に、扶養している人が年収1000万円以下で、扶養配偶者の所得が48万円以上になってしまった場合は、配偶者控除の最大38万円は無くなります。

老人控除対象配偶者の場合は最大48万円になります。

扶養している人は、毎年の給与から配偶者控除で38万円分を除いて税金が課税されていますが、配偶者の所得が前述した金額を超えた場合は、この控除は受けられなくなります。

だたし、1年間だけで、翌年からは配偶者の所得が超えてなければ配偶者控除を受けることが出来ます。

健康保険は変わるのか? 配偶者が不動産を売却した場合

健康保険は変わるのか? 配偶者が不動産を売却した場合

健康保険は一般的に、税金とは違い、所得ではなく収入によって保険に加入するかどうかが決まってきます。

健康保険の扶養になるためには、年収が130未満である事が条件になります。

しかし、全国健康保険協会では売買などの一時的な収入では、扶養から外れる要件にはならないとしています。

健康保険組合も基本的には、同じ取り扱いになりますが、各組合によって変わる可能性があるので、事前に確認して下さい。

国民年金の加入は必要か? 配偶者が不動産を売却した場合

国民年金の加入は必要か? 配偶者が不動産を売却した場合

厚生年金などに扶養している人が加入している場合、扶養されている配偶者は3号被保険者となり、被扶養者の年金保険に加入しています。

しかし、一般的には年収が一定上超えた場合には、個別に年金保険に加入する必要があります。

土地の売買であれば、簡単に一定上の年収に達してしまいますが、厚生年金としては、健康保険と同様に一時的な収入のため、3号被保険者のままで大丈夫です。

これが、土地を賃貸で貸すようになった場合などの継続して収入がある際は、国民年金に加入する必要があります。

まとめ

扶養している配偶者が不動産を売却した場合は、扶養している人にとっては「扶養が外れて大変なのでは?」と考えている人も多いでしょうが、実際には控除額の最大38万円が1年間無くなるだけで済みます。

年金も健康保険も原則は今の扶養のままで大丈夫です。

ただし、念のために、健康保険の組合には確認をして下さい。

売買で役立つ知識
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