中古のマイホームや投資用物件を購入した際に、当時の建築確認の資料の確認をしていない場合に、突然、違法建築物扱いをされる場合があります。
それは、「建築する際に隣の敷地を建築確認の敷地内にしている場合」と「分筆して別々に売却している場合」、「借りていた土地を返さなければいけなくなった場合」の3つのパターンがあります。
違法建築になった場合には、銀行から融資を受けられない、建て替えの際にもっと小さい規模の建物になる、最悪の場合は適法な建築物へのリフォーム、もしくは、建て替えを行政から言われるなどのデメリットが出てきます。
そんな状況の事を建築確認の二重敷地問題といわれます。
建築確認の二重敷地とは
建築確認を出す際には、敷地を確定してその敷地内での建築基準法に適合しているか行政が確認する申請書になります。
その際に、自身の敷地だけでなく、他人の土地もその敷地に含ねている建物もあります。
その使われていた土地に既存の建物が建ったまま、再度、別の建物の建築確認の敷地として申請する事で、後発の建築確認が違法になってしまう状況の事をいいます。
建築基準法で二重敷地で問題になるのは下記の3つが特に多いです。
・建蔽率
・容積率
・採光距離
建蔽率とは
建蔽率は、その敷地に対して、建物の1階部分の面積が敷地の何%まで建築をすることができますよ。
というのがそれぞれの地域で決まっています。
閑静な住宅地であれば、30%~50%が多く、商業地域であれば、80%が最も多いです。
つまり、100㎡の土地であれな、完成な住宅街であれば、30㎡から50㎡の1階部分の面積、商業地であれば80㎡の1階部分の面積が建てられるということが決まっています。
これが、二重敷地であった場合
200㎡で建蔽率が60%の地域で、1階部分の面積が80㎡だった場合で、残りの120㎡が庭にしており、その庭部分のうち、100㎡を売却した際には、建物の敷地は100㎡となり建蔽率の限度は60㎡になるため、違法建築になります。
個人の住宅であれば、さほど問題にはなりませんが、これがマンションや投資物件の場合は、融資が受けられずに、転売しにくい、もしくは、是正工事を行政から求められる場合があります。
容積率率とは
建蔽率が敷地に対しての一階部分の面積でしたが、容積率は2階部分の面積になります。
これも各地域によって異なりますが、閑静な住宅街では80%~100%、商業地域では、300%や400%やもっと高い容積率などもあります。
容積率も建蔽率と同じで、敷地を売却した場合や、建築確認の申請を行なっていて、その敷地内で別の建物を建てた場合には前の建物は違法建築扱いになってしまいます。
採光距離
建築物を建てる場合に、窓から日の光を入れるため地域毎に窓から敷地の境界までに一定の距離を保つことが決められています。
全ての窓ではないですが、例えば、2mの採光距離が決められていた場合に、境界からの距離が短くなればもちろん違法建築扱いになります。
建築確認敷地の二重使用ができる理由
前述した二重使用がなぜできるのか、両方とも建築確認を出しているのであれば、行政が二重で出した敷地をなぜ拒否しないのか、などの疑問もあるでしょう。
行政としては、建築確認を出されたからといって、現地に赴いて調査をする訳でもありません。
その建築確認の書類が、現在の法律に適しているか確認するだけです。
明らかな二重使用などであれば、否認する事もありますが、あくまでも確認の書類になります。
もちろん把握している場合でも、あくまでも行政指導として行うため、強制力はありません。
なので、申請者が強行して建築することもできます。
違法建築になった場合にどうなるのか
前述した様な、二重敷地になり違法建築になってしまった場合には、様々な弊害が出てきます。
マンションであれば、大規模修繕などが出来なくなります。
購入する人も融資が受けづらくなり、マンションの住人が減る可能性もあります。
投資物件、戸建てであれば売買する時に買主の融資難しくなり、値段を下げて売却する可能性が高いです。
違法建築を買わない方法
違法建築は敷地の二重使用だけでなく、他にも建物自体にも違法性がある場合もあります。
素人にはわからないから防ぎようが無いと考えている人も、素人で分からなければプロに頼むことを考えましょう。
不動産のプロであれば、不動産会社。
建物のプロならば、設計士。
中古住宅を購入する場合いは、確認申請書がある物件を必ず購入しましょう。
また、ホームインスペクションという、設計士が住宅の検査をしてくれる制度もあります。
値段も15万円前後で通常であれば依頼を受けてくれるので、大きい買い物をするのであれば必須条件にした方がいいでしょう。
資産を守るためには、お金を払いプロを動かすことが一番なので、基本的知識を持って、難しいことはプロと相談して決めることがいいでしょう。
ただし、丸投げはよくありません。
プロでもピンからキリまでいますので。
下記の記事でホームインスペクションについて詳しく解説しております。ご参考にして下さい。
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