賃貸アパートの退去時には、大家や管理会社とトラブルが発生するケースがあります。
そんな時にどんな対処をすればいいか。
知り合いに不動産屋、法律家などの詳しい人がいれば相談できますが、都合よくそんな知り合いはいない人が多いです。
そんな賃貸アパートのトラブルあった時に、無料で相談ができる窓口があるのをご存知でしょうか。
後述もしますが一般的な相談先として、消費者センターや法テラスなどに連絡をして、自身の困っている状況を詳しく伝えれば解決策などの相談に乗ってくれます。
ですが、一番大事な事はトラブルが起きない様に、事前に備えておくことが大事です。
賃貸トラブルにあった場合に慌てずに対応するためには、事前に知っておくことも大事です。
そして、知らずにトラブルが発生した場合にも相談してから、慌てずに対処していきましょう。
大家から、高い修繕費の請求を受けた場合や、聞いていない費用の請求をされた場合、何十万という費用請求は内訳を聞いて、第三者に相談するのが良いでしょう。
何も知らないと思われて、実際の請求額よりも高い金額を言われる事はよくある事です。
賃貸アパートの入退去時でトラブルになった時の相談先
賃貸アパートで起こるトラブルで、一番多いものが入居する時と、退去する時になります。
入居時や退去時にはわからない事だらけで、比較するにもその部屋の状況によって対応や金額が大きく違うため、実際に目にして、請求されている入居者からの相談でなければ一概に正解、不正解はわかりません。
なので、下記の様な場合には、公的な第三者に相談をして正しいのか正しくないのか確認するのも良いでしょう。
費用は一切かからないので、安心して利用ができます。
・不動産会社や大家から聞いていた話と違う
・壊れている場所があり、入居前に直すと言ったのに直してくれない
・相談ごとや依頼に対して、不動産会社や大家が対応してくれない
・入居時や退去時に、気になる費用を請求されているがそれが普通なのかわからない
などの困ったことを相談に乗ってくれる公共のサービスをご紹介します。
賃貸アパートの敷金・原状回復に関するトラブル
入退去時にトラブルになるケースが最も多いのが、退去時の修繕などの原状回復費用、入居時に預けていた敷金の返還についてです。
今回の民法改正では、大分内容が固まってきていますが、判例が少ないので、まだまだ揉め事に繋がる可能性があります。
素人知識でなく、写真や書類などを持って、有識者に相談しましょう。
詳しい民法の改正ポイントについては、下記の記事でお伝えしていますので、参考にしてください。
原状回復費用や敷金については、当事者同士の言葉(口約束)だけでは泥沼化してしまうので、事前に証拠などを集める必要があります。
相談する際も事前に書類などを手元に置いて相談するのが一番スムーズにいきます。
必要書類の例
・賃貸の契約書(賃貸借契約書)
・重要事項説明書などの契約時の資料一式
・原状回復トラブルの場合、大家側の見積りなど(現状の写真)
・そのほか当問題に関係する資料
賃貸のトラブル 相談センターの窓口連絡先
賃貸でトラブルにあった場合の相談窓口をお伝えします。
一箇所に相談先するだけでも良いですが、不安であれば複数の相談センターに相談することをお勧めします。
著者もトラブルなどの相談をする際に、確実な回答を求める場合には、複数の窓口に連絡をします。
理由としては、自分の伝え方を間違えたり、相手の受け取り方が間違っていたりするので、言い方を変えたりして相談しています。
自分の納得がいかない回答や、少し怪しいと感じたら時間を変えて再度連絡するか、別の相談窓口にも相談して見ましょう。
消費者ホットライン : 連絡先:188 賃貸トラブル
消費生活センターが無料で行っている相談窓口となり、消費者(入居者)の生活関係などのトラブルの相談に乗ってくれます。
もちろん敷金や原状回復のトラブルだけでなく、管理会社とのトラブル、些細な問題も相談することができるので、利用しやすい窓口になります。
「どうしたらいいかわからない」「どこに連絡すればいいのだろう」と思ったら、
取り敢えず、消費者生活センターに相談をすれば詳しい助言や別の相談窓口を教えてもらえます。
もし、消費者ホットラインが混雑などで繋がりにくい時には、国民生活センターの平日バックアップに連絡するのもいいでしょう。
平日バックアップ電話番号:03-3446-1623
法テラス・サポートダイヤル 賃貸トラブル
法テラスは、初回相談が無料の法的なトラブル専門の相談所になります。
弁護士や司法書士などが法律に基づいた回答をしてくれます。
各自治体ごとに、相談窓口が違うため、相談するためには相談窓口情報検索で居住地・相談したいトラブル内容について検索すれば、地域の相談先の連絡先が分かります。
ただし、相談をしようとしても、主に混雑をしていますので、相談するまで時間がかかる可能性があります。
担当の弁護士、司法書士が不在の曜日もありますので、
一度電話をして、相談の予約を行う必要があります。
初回は無料になりますが、二回目以降は有料になります。
事前に相談内容を固めて、聞くことをメモしてスムーズに相談できる様にしましょう。
関係資料なども一式持っていくといいでしょう。
日本司法書士総合相談センター 賃貸トラブル
日本司法書士会連合会が運営している法律に関する相談窓口があります。
司法書士の相談で最も多いのが、敷金に関するトラブルの相談内容です。
初回相談は無料の場合がありますが、事前に相談料金の確認はしておきましょう。
解決を依頼すれば当然に費用がかかります。
もちろん、弁護士費用に比べれば安くすみます。
窓口は、地域の司法書士会になりますが、依頼する際にはお近くの司法書士を紹介されます。
リンク:司法書士会連合会
一般財団法人不動産適正取引推進機構 賃貸トラブル
不動産会社の必須資格である宅地建物取引士の資格を管理している法人になります。
不動産会社必須資格の宅建士を管理しているだけあって、不動産トラブル全般の対応をしてくれます。
相談だけでなく、トラブルの事案なども掲載しております。
プロの不動産会社も参考にしていますので、時間があればご覧ください。
リンク:不動産のQ &A
賃貸アパートのトラブル 別の解決方法
トラブル解決策として行政の紹介で、専門家や弁護士などが委員になっている紛争処理委員による調整・仲裁ができる制度もあります。
調整に関しては、紛争処理委員3名が仲裁をする立場となって、当事者同士の間に入り、お互いの主張を聞き出して、仲裁案などを提案してくれます。
その案で納得できれば、解決しますが、もし、どちらかが納得しない時には、仲裁か通常の民事訴訟(裁判)、少額訴訟へ移行していきます。
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 賃貸トラブル
一般財団法人不動産適正取引推進機構と同様に、相談出来ますが、こちらは賃貸住宅の組合員によって作られている組織になります。
どちらだけに相談しても良いですし、両方に相談しても全く問題はありません。
難しい問題になれば、回答が違う可能性がありますが、どちらがただしいかは結局は当事者同士で決めるか、裁判での決着となります。
相談に関してはメールなどですることも可能ですが、回答は電話になります。
リンク:日本賃貸住宅管理協会
一般社団法人日本不動産仲裁機構 賃貸トラブル
仲裁手続きの一つとして、ADR(裁判外紛争解決)があります。
ADRは斡旋、調停、仲裁をまとめた呼び方で、裁判をするよりも時間も費用も短く安くなります。
裁判は時間がかかるので、避けたい方もたくさんいます。
その方法として選ばれているのが、ADRです。
前述した、市役所などの相談先で紹介されるのもこのADRが多いでしょう。
リンク:ADR(裁判外紛争解決)
引っ越し業者に関するトラブル
業者の荷物紛失や料金トラブル、住居に傷がついたなど、引っ越し業者に関するトラブルもよくあります。
相談する時には、事前に下記のものを用意しておくと相談がスムーズに出来ます。
・家または荷物の破損の状況
・紛失に関する証拠、リスト
・そのほか関係する資料(見積書や請求書)
などを事前に用意しておくようにしましょう。
相談先:公益社団法人全日本トラック協会
運送トラックを扱う会社が加入する法人になります。
トラック協会は優良な引越し業者を決める引越事業者優良認定制度で安心できる引越し業者を勧めています。
また、引越しなどの苦情や問題の相談もすることができ、相談に応じて業者に調査や報告を行ってくれます。
ただし、調査の対象になる業者は、優良認定を受けた引越安心マークがある業者のみになるため、引越し業者を決める前に引越安心マークの有無を検討材料にしても良いでしょう。
賃貸トラブル まとめ
賃貸でのトラブルは素人だけで解決するのは、大変な事です。
揉めた際は、しっかりと相談を行いましょう。
何が原因で揉めているのか、その証拠はどれだけあるのかがトラブルを早期に解決をする糸口になります。
相手側と話した事は、録音できるのが良いですが、できない場合は「いつ、誰と、何を話したか」はメモでも良いので残しておきましょう。
実際は、相手側も裁判になるまで揉める労力はもったいないと考えることが多く、大体が和解になります。
しかし、入居者側が無理難題を言っている場合もあるので、疑問に思っている内容が正しいのかはしっかりと外部の専門家を頼りましょう。
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