アルバイトやパートをしている人で、誰もが気にしているのは「いくらまで給与を貰えば一番効率が良いのか?」です。
闇雲に働いて、その結果で無駄な税金などを支払うのはとても勿体無いです。
そこで、今回は配偶者のパート、アルバイト勤務した際に役立つ給与金額の壁をお伝えします。
給与の壁は6つありますが、本当はどれが一番得なのだろうか。
「そもそも何の壁なのだろうか?」とわからない方が非常に多いです。
よく分からず、周りがしているからマネをしてるという状況の人もいるでしょう。
周りに流されずに、各家庭の状況に合わせて、どの程度稼げばいいか判断をして下さい。
6つの壁ってなにがあるのか?
扶養内のパート給料の6つの壁は、税金と社会保険の壁が入り混じった様になっているので、余計に混乱し易いです。
なので複数の情報が入ってくると頭の中が混乱してしまいます。
まずは少しずつ整理をしてみましょう。
6つの金額の簡易的説明の表
収 入 | 壁の内容 |
100万円 | 住民税課税 |
103万円 | 所得税課税 サラリーマンの扶養控除外れる |
106万円 | 一部の勤め先では社会保険料加入 |
130万円 | 国民年金、国民健康保険加入 |
150万円 | 配偶者控除の枠の減少開始 |
201万円 | 配偶者控除が無くなる |
以上の6つの詳しい説明を下記にてさせて頂きます。
パートで働く時に税金の壁はいくらから?
100万円、103万円は初めの壁とも言えますが、いわゆる税金の壁になります。
100万円を超えた部分に住民税、
次に103万円を超えた部分に関して額に対して所得税が課税されていきます。
増えた所得に対して所得税は5%~45%、住民税は一律10%の納税義務が出てきますが、働いて貰った給与=所得に対して課税されるため、夫婦の手取り額が働いた事で悪くなる事は無いです。
税金も、もちろん全額に税金が掛かる訳ではなく、控除があります。
むしろ、サラリーマンとして勤めている配偶者の会社から支給されている、家族手当が103万円を超えたら無くなる可能性が高い為、こちらの方が金銭的には大きいので、家族手当を支給しているサラリーマンの勤め先に確認した方がいいでしょう。
仮に会社からの扶養手当が1万円支給されているとすると、
1年で12万円になります。
103万円以内に収めたら12万円貰えるのに、104万円働いたら、家庭での手取りが11万円減ってしまいます。
これは大きなマイナスとなります。
150万円の壁では、サラリーマン配偶者が受けている税金の控除である「配偶者特別控除」が徐々に少なくなっていきます。
少しずつ減っていくので、150万円を超えたから家族の手取りが一気に無くなる事はありませんが、税金は多めに取られていきます。
103万円も、150万円も年収が超える事で、夫婦の手取りが働く前よりも少なくなるというデメリットはありませんが、税金が引かれるので、額面よりは多少手残りが減っていきます。
(地域によって住民税の控除額が変わります)
所得税 住民税 税金計算例
102万稼げば、住民税が約2000円
104万稼げば、所得税500円、住民税3,500円
110万稼げば、所得税3,500円、住民税9,500円
150万稼げば、所得税23,900円、住民税49,500円
という具合です。
(※概算になります、控除などを加味せずに計算しています。)
気を付けないと、損する社会保険の壁は?
106万円と130万円は、高い壁になる社会保険料です。
一定規模以上の会社でアルバイトやパートをしていると、年収106万円以上でパート先の組合の社会保険に加入します。
アルバイトやパートの給与から、差し引きされて厚生年金と健康保険を負担します。
健康保険料は勿体ないですが、厚生年金は年金に加算されるので、全くの無駄にはなりません。
一定以上の要件 全て満たす場合
・正社員が501人以上
・収入が88,000円/月以上
・雇用の期間が1年以上
・労働時間が週20時間以上
・学生ではない
※厚生年金の短時間労働者への適用拡大を巡り、政府内で現在「従業員501人以上」とする企業規模要件の引き下げを、2022年10月に「100人超」、24年10月に「50人超」と2段階で拡大する案が浮上しています。
仮に年収が106万を超えるケースでは、地域や組合によって変わりますが、健康保険料などが5,000円前後、厚生年金保険が9,000円前後、月で14,000円前後、
年間で168,000円の負担増となってしまう可能性が高いです。
つまり、例えば107万円稼ぎ、一定の要件を満たしたケースだと、手残りが90万程になってしまいます。
ただし、上記の一定以上の要件に満たない会社でパートやアルバイトをし、年収が130万円を超えると自身で国民年金と、国民健康保険に加入することになり、月あたり約3万円、年間にすると約36万円の社会保険料の負担をすることになります。
130万円までなら会社勤めの配偶者の扶養なので、年金と健康保険の合わせての約36万円は扶養内であれば支払わない金額です。
年金などを支払うほど働くのであれば、会社に半分払って貰える従業員規模で130万円以上の給与をもらった方が得をします。
国民年金や国民健康保険を自身で支払うケースだと、131万円稼いだとしても、4万円程の所得税と住民税の負担と36万円の社会保険料の負担で、91万円程の手残りになってしまいます。
これであれば、安全をみて、105万円程のパートにした方が確実に得です。
130万円以上の手残りを必要とするのであれば、おおよその目安として180万円以上を稼がないかぎり、家族の手取りは減るでしょう。
180万円以内であれば、130万円に収入は抑えた方が得します。
社会保険は払った方が得するのか?
ですが、社会保険料を支払うことでのメリットもあります。
パートなどで勤めている会社で健康保険・厚生年金に加入できれば、自分が病気や怪我をして働けなくなった時に、健康保険の手続きをすれば傷病手当金という手当が受給できる可能性があり、怪我や病気などで働けなくなった場合は、4日目から1年6か月間、給与(標準報酬月額)の約2/3の手当がもらえます。
傷病手当については、当サイトの別記事で詳しく説明しております。
仮に、障がい者になった場合も、厚生年金から障害年金が受け取れる事が出来ます。
年金を支払えば、老後の年金を増やす事が見込めます。
年金については、下記の記事で詳しく解説しています。
一番お得でない形は、130万円を超え、パート先の組合健康保険にも加入できず、自身の負担で国民年金と国民健康保険に加入する場合です。
106万円以上でも、社会保険に加入できるのなら検討する価値はあるでしょう。
会社で加入する社会保険は労使折半です。(会社と社員が半分半分負担してます)
おまけの年収201万円
パートの配偶者の年収が201万円を超えると、前述した配偶者特別控除はゼロになってしまいます。
いきなり受けれなくなる訳でなく、段階的に減額されて最終的に201万円で控除がゼロになります。
まとめますと、100万円、103万円、150万円、201万円は税金の壁を、106万円と130万円は社会保険の壁を指していることになります。
ちなみに、厚生年金はいってみれば貯金です。
年収120万円の人が20年間厚生年金を払い続けると、
支払額の合計は200万円ほどになる見込みです。
65歳から年金を受け取ると仮定した場合、
積み立てた厚生年金分は15年で回収できるという試算があります。
しかし、夫の三号保険者でも無くなります。
そして、上記計算よりも、受給時には年金額が減額している可能性もあります。
国に頼らず、ある程度ご家庭で貯蓄をしていくのが安心出来るでしょう。
まとめ
税金の壁はあまり気にしなくていいと思いますが、社会保険料の壁の106万円、130万円はしっかりとした計算をしてから取り組んだ方が得策です。
出来ればプロに頼んで試算をした方が間違いがないでしょう。
一時の収入のために、将来的にお金が結局減ってしまえば、苦しむのは自身の家計です。
賢く稼ぎ、無駄な税金を支払わないように事前の準備はしっかりと行いましょう。
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