今回は、個人事業主と法人についてお伝え致します。
サラリーマンを辞めて、独立される方や副業で開業される方が増えています。
開業するにもローリスクで、兼業でと考えていく人は、これからの時代増えていきます。
そんな考えがある、あなたに読んで頂きたいです。
まず、個人事業主になると、収入は給料を貰うのではなく、自分で稼ぐことになります!
税務署に自分で確定申告をしなければなりません。
確定申告により必要経費などの所得控除ができますので、有効に使えば節税ができ、個人事業主になることで生活が楽になる場合があります。
個人事業主は、法人登録をしないで、個人で事業をしている人のことです。
法人は、人格が認められ法律上で法人格があり、権利能力を与えられたことをいいます。
個人事業主は、株式会社などの法人を設立して、事業を引き継ぎ、運営することを法人化(または、法人成り)といいます。
開業するにあたって、法人・個人事業主のどちらが得なのか悩む人が多いです。
個人事業主は固定給がない
個人事業主の場合には取得した収入が、そのまま自身の収入になります。
なので、労働の対価として支給される給与という概念がありません。
もちろん、配偶者などに給与を支払うことはできます。
売上から経費を引いた利益(所得)が手持ちのお金になります。
どんなものでも経費に算入できるわけではなく、事業に関係するものが経費として認められます。
間違った経費を算入しても、確定申告を行う際には受理されますが、税務署の調査が入った際には、修正申告などをする可能性があります。
法人と個人事業主のお金と税金の違い
法人は、会社創設時に手続きと労力、費用、そして所得に対してかかる税率が個人事業主と大きく違います。
個人事業主の場合、税務署に開業手続きをすれば手続きは完了(所要時間10分くらい)で、必要な費用は一切ないです。
法人を創設するには、登録免許税、印紙代、定款認証代などが設立時にいります
記入する書類が多く、資本金の払い込みなどの手続きもあるので、個人で行うにはハードルが高めです!!
費用に関しては、株式会社で約24万円が、合同会社では約10万円がかかります。
(電子定款の場合は、印紙代4万円分が安くなります)
個人事業主と法人は所得にかかる税金が変わります。
税金項目 | |
個人事業主の税金 | 所得税、住民税、消費税、個人事業税、固定資産税 |
法人の税金 | 法人税、法人住民税、法人事業税、地方法人特別税、消費税、固定資産税 |
このうち、違いが大きいのが「所得税」と「法人税」です。
法人化を検討する目安は事業所得が500万円頃からになります。
所得税は、売上から経費を引いた所得に対してかかる税金になります。
累進課税が適用され、所得が増えるほど税額も5%から45%に増税されていきます。
法人税は、15〜23.2%の比例税率が課税されます。
一定額以上稼ぐのであれば最大税率が45%の所得税よりも法人税の方が、税負担が少なくなるので、多額の所得になるのであれば、法人化を考えた方がいいでしょう。
だいたいの目安といわれているのが、事業所得500万円から1,000万円ぐらいと言われています。
経費を除いてなので、かなりの金額になります。
安定的に稼いでいるのであれば、法人化を検討することをお勧めします。
法人化のメリット
法人化すると、税負担の軽減のほかにもメリットがあります。
法人化するメリットの中で事業拡大をしたいと考えている人には、取引先や金融機関に対する信用の違いがあります。
開業届を税務署に出すだけでいい個人事業主と違い、法人は煩雑な手続きを踏み、費用をかけて事業をスタートさせています。
金融機関から融資を受ける場合でも、法人であれば個人に比べて融資されやすいといったこともあります。
個人事業主でも借りれますが、大きな融資を受ける場合はやはり法人です。
二つ目に社会保険に加入できることです。
法人化の際には、社員に対して労働者災害補償保険(労災保険)、雇用保険、厚生年金保険、健康保険、介護保険などの社会保険への加入をしなければいけません。
個人事業主が法人化することのデメリット
個人事業主から法人化するのには、メリットがありますが、費用や手続きが増えるというデメリットもあります。
まずは費用が大きくかかります。
法人化すれば、設立費用がかかり、資本金も用意しなければいけません。
少額の資本金の場合、取引先が信用してくれないケースもあります。
法人化した後は、厚生年金保険や健康保険といった社会保険の費用など、会社を維持・運営していくための費用などのランニングコストがかかります。
また、法人住民税が均等割で少なくとも約7万円が毎年必要になり、赤字でも納税します。
簿記なども複雑になる法人化をすると会計処理が非常に難しく、個人ですべての作業を完結させるのはほぼ不可能です。
会計処理を税理士に任せるため、顧問契約費用もかかってきます。
そして、事務作業が煩雑になります。
社会保険の事務や、会社の決算書類の作成など、難しく手間がかかる作業が増えます。
会社を閉鎖する際も、廃業届などを税務署に届け出るだけの個人事業主と違い、法人は株式会社であれば株主総会で清算手続をします。
個人事業主メリット
個人事業主のメリットは、開業するための手続きが簡単なこと。
個人事業主の開業届を出すだけで個人事業主になることができます。この届を出さなくても、確定申告をしなければならない事業所得があれば、すでに個人事業主になっています。
個人事業主の開業に必要な費用は特になく、事業の追加変更、廃止はいつでもできる手軽さがあります。
個人事業主とフリーランスの違い
個人事業主とフリーランスは、基本的には変わりません。
個人事業主は税務上の所得区分をいい、フリーランスは働き方を示します。
会社を退職し、フリーランスで働くと、個人事業主として納税することになるということです。
ただし、フリーランスでも法人設立をすることもあるので、全てに当てはまるわけではありません。
個人事業主とサラリーマンの違い
個人事業主とサラリーマンは、雇用されているかどうかです。
サラリーマンは雇用契約を会社と締結し、対価として給料として受け取り、継続的に働きます。
また、派遣社員も派遣会社と雇用契約を締結しています。
個人事業主は会社との雇用契約はありません。
継続的にどこかの企業の仕事をしていても、契約スタイルはあくまでも業務委託となります。
受け取る対価も給料ではなく報酬と一般的には呼ばれます。
個人事業主の収入は
個人事業主として働くなら、収入について慎重に考えましょう。
会社員と違って税金などの支払いは、すべて自身で行います。
個人事業主の収入(所得)は、売上から経費を差し引いた金額となります。
受領した報酬の全部が収入になりません。
会社員の場合には、受け取った給料は所得税や保険料などが差し引かれており、受け取った給料すべてが収入になります。
個人事業主の場合には税金なども含めた必要経費を差し引いて収入がいくらか自分で判断します。
個人事業主が負担する社会保険や税金
個人事業主になると、支払うべき税金や社会保険の種類なども変わります。
個人事業主の個人事業税
株式会社などの法人にはなく、個人で事業をしている人が対象です。
地方税の一つであり、事業をするために公共のサービスを受けているという考えから、その経費負担として課せられています。
ある程度の所得があれば、納める必要があり、収入が少なければ納税はいらないです。
個人事業主の消費税
消費税は、物やサービスを購入した時に発生したものではなく、個人事業主が提供したものやサービスに生じた消費税のことです。
消費税の納税義務者として税金を納めます。
消費税支払いは、課税売上1,000万円以上が要件になります。
また、基本的には開業から2年間は免除されているため、その翌年からの支払いになり、課税事業者となった場合はその2年後から消費税の支払いの義務があります。
個人事業主の国民年金・国民健康保険の切り替え
会社を退職し、個人事業主になると会社の健康保険から国民健康保険に切り替えだけでなく、年金も厚生年金から国民年金へ切り替えなければいけません。
退職した日から14日以内に手続きがいります。
健康保険は退職後20日内に任意継続の手続きを行えば、勤めていた業界の健康保険を最長2年間継続することができます。
個人事業主の小規模企業共済の加入
小規模企業共済は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する共済で、個人事業主でも加入できる共済事業です。
掛け金は全額が税の控除となるので、節税効果もあり、廃業時には全額が返金されますので、廃業時の資金に使えます。小
規模企業共催の掛け金は、1000円から7万円の間で自由に設定でき、無理のない範囲で始められます。
兼業の方は出来ませんのでご注意ください!
リンク:当サイトの別記事 小規模企業共済について詳しくお伝えしております。コチラへ
個人事業主と法人どちらが得か? まとめ
個人事業主は、サラリーマンと違って、企業と雇用契約をせず、自身の責任で事業を行う人のことです。
費用や手間をかけずに起業できるほか、会社に縛られることなく自由に事業を運営できるというメリットがある一方、社会的な信用が得にくい、一定以上の所得を得ると税負担が重くなるなどのデメリットもあります。
個人事業主か法人かで迷ったら、現状の所得額と今後の事業展開の計画を踏まえて、しっかりメリット・デメリットを検討してから決めましょう。
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