退職した際の健康保険は、任意継続か国民健康保険のどちらを選ぶべきか?今使える軽減制度での比較

退職した際の健康保険は、任意継続か国民健康保険のどちらを選ぶべきか?今使える軽減制度での比較・生活救済制度など

多くの人は会社員であれば、勤め先の健康保険に加入して、自営業者などであれば国民健康保険に加入しています。

しかし、勤め先を辞めて転職するまでの間では、国民健康保険と任意継続を選べる状態になります。

転職するまでの期間にどちらの健康保険に加入するのがいいのか、また両方とも加入しないで無保険でいるのかどの選択が賢いのか今回はお伝えしていきます。

健康保険について

健康保険は、前述した通り事業者によって加入する健康保険と、国民健康保険の二種類があります。

無保険でどちらの保険にも加入しないのもいけるかと言えば、制度的にはいけますが、原則はどちらかの保険に加入しなければいけない義務があります。

これは国民皆保険という名前で決められていますが、罰則は特にないので加入しないで次の仕事を迎える人もいるのが問題となっています。

健康保険はもし何か事故や病気になった時に医療機関を3割の自己負担で受けられる様になるので、少しの期間と言えども必ず加入していた方が安心できます。

なので、今回はコロナの減免制度も含めて前職の健康保険を引き継ぐ健康保険か、

新しく国民健康保険のどちらに加入するのが得策なのかを詳しくお伝えしていきます。

国民健康保険とは

国民健康保険は、勤め先の健康保険に加入している以外の人が加入する健康保険になります。

外国人の人であっても、在留期間が3ヶ月以上の人には加入する義務が生じます。

加入要件は以下の内容に該当しない場合には必ず加入する必要があります。

・健康保険に加入している人及び扶養家族(任意継続も含む)

・船員保険に加入している人及び扶養家族

・国民健康保険組合に加入している人及び世帯家族

・生活保護を受けている人

転職をするなどで退職した人も、国民健康保険に切り替えるのか、任意継続をする必要があります。

国民健康保険に切り替えるためには、前の職場から健康保険の資格喪失連絡票を貰うか、前職の職場に役所から直接電話をして退職の確認をしてもらうことで手続きをして貰うことも可能です。

お急ぎの方や資格喪失連絡票が届かない方は後述のやり方で申請するのもいいでしょう。

国民健康保険の保険金額の基準

国民健康保険は、前年度の所得を基準で1年間の保険料が決まります。

なので、退職後に国民健康保険の1月当たりの保険料は、給与だけの収入の人であれば、源泉徴収票を持っていき、他の収入がある人で確定申告をしている人であれば確定申告書を役所に持っていけば概算の金額を知る事が出来ます。

役所によっては、自動計算をしてくれるサイトなどもあるので使ってみるのもいいでしょうが、確実なのは直接電話で聞くのがいいでしょう。

また、地方になると固定資産割と呼ばれる制度もあります。

これは、自身の持っている所有資産、つまり土地や建物の資産によって他の人よりも多く保険料を支払わなければいけない昔の制度が残っている地域もあります。

この制度が適用されている地域は少ないですが、保険料が大きく変わる可能性があるので要注意です。

国民健康保険の軽減制度

退職をした場合に受けられる減免制度は2種類あります。

①会社都合で退職した方を対象とした保険料軽減制度

②新型コロナの影響で給与収入などの減少が見込まれる世帯

ちなみに、減免と軽減と二種類がありますが、軽減は国が定めている制度で、減免は各市区町村が定めている制度になります。

今回は、国が定めている軽減を紹介しますが、お住まいの各市区町村で個別に減免制度をとっている可能性があるので事前に確認してください。

①会社都合で退職した方を対象とした保険料軽減制度

こちらは会社都合で失業した場合でハローワークから雇用保険受給者証がもらえる事が条件になっています。

所謂、失業保険です。

この失業保険が貰える対象の人がまずは①の軽減を受けらえます。

この軽減の内容は、前年の給与所得を100分の30で国民健康保険を計算してくれる制度になっています。

つまり、600万円の年収だったら、180万円の収入として計算をしてくれるという事です。

各市区町村で変わりますが、一般的に年収600万円で3人家族の場合では月額の保険料は4万円前後になってきます。

これが180万円になると1万3千円前後になります。

その差額は2万7千円も得するという事です。

この制度を受けるためには、失業保険を受給する必要があります。

逆に言えば、失業保険を受給出来なければ、この軽減措置は使えません。

②新型コロナの影響で給与収入などの減少が見込まれる世帯

この軽減はコロナの影響で前年の年収が減額している世帯に対して、自己申告で使える制度になっています。

要件は、前年の給与収入から3割少なくなっている事が予測される場合に使える制度です。

例えば、年収600万円の場合には、今年の年収予測が420万円になる必要があります。

さらに所得要件も含まれており、高所得者ほど軽減される金額は少なくなりますが、前年所得が400万円を下回る場合には、保険料の8割が割引かれます。

つまり、保険料が4万円だった場合には、8千円になり3万2千円も得をすることになります。

共に初回の保険料は満額支払うか、誓約書を書いて軽減後まで支払いを待って貰うことも出来ますが、軽減の適用までは2〜3ヶ月ほどはかかります。

ですが、この制度を知らずに任意継続をしていた場合には数万円から十数万円損をする可能性があるので、事前に適用できるのかを役所の担当者とよく話した方がいいでしょう。

相談する際に持っていく書類は、去年の確定申告か源泉徴収票、今年の給与収入がわかるものを持っていけば具体的な相談ができます。

任意継続保険

任意継続は、退職する前の勤め先の健康保険を退職後でも継続して利用する事ができる制度です。

この制度は、2ヶ月以上の被保険者期間があり、退職日から20日以内に任意継続被保険者資格取得申出書を加入していた健康保険組合に提出する必要があります。

原則として、任意継続を選択した場合には、2年間は国民健康保険への切り替えが出来ませんが、滞納した場合には任意継続の資格を失うので、結果的には国民健康保険への切り替えが可能になります。

任意継続でのメリットは、一定条件を満たせば出産手当金が支給される事が大きいです。

保険料は、在職期間中は労使折半で半分は勤め先が支払っていましたが退職後には全額が自己負担となります。

ただし、各組合で上限金額が決められていますので、40歳以下は3万2千円前後、40歳以上の介護保険の加入者は4万円前後の保険料の上限が決まっています。

国民健康保険と比べてどちらがお得か、しっかりと把握してから加入手続きをしましょう。

各保険のメリットとデメリット

国民健康保険任意継続
メリット・退職以降は減額の可能性がある
・市区町村の健康保険課が窓口で対面で手続きができる
前職と同じ給付内容を受けれる
デメリット出産一時金は支給されるが、出産手当金がない・2年間保険料は変わらない
・郵送でのやり取りに時間がかかる

任意継続は2年間固定されるのと会社都合での退職をした場合に受けられる軽減と収入減少での軽減が受けられないのが厳しいです。

ただし、上記の2つの軽減が受けられない状態の人であれば、国民健康保険に加入するよりも安く保険に入る事ができる可能性が高いところにも注目しましょう。

健康保険は毎年30万円や50万円の保険料がかかります。

転職活動が長期化していくケースもあるので慎重に選んでいきましょう。

退職前に次の仕事が決まっている空白期間

次に悩むのが退職前に次の内定が決まっているケースですが、失業保険は次の仕事が決まっていない人が受けられる制度です。

つまり、会社都合で退職をしても失業保険は貰えません。

例えば、4月末に退職をして、退職前に次の仕事が内定しており、6月1日から新しい仕事が始まる場合には、5月中が何もしなければ健康保険は無資格になってしまいます。

ここで知っておくべきなのは、前年の年収よりも3割減少しているならば国民健康保険を選ぶべきですが、年収が変わらないのであれば、任意継続をした方がいいでしょう。

もちろん次の仕事が決まっていないのであれば、失業保険を受給して、国民健康保険の減免を受けた方がいいです。

前年に比べて年収も下がっていなく、次の仕事も決まっている状態であれば任意継続をした方が一番安くなる可能性が高いです。

まとめ

健康保険は、加入しないという選択肢もありますが、万が一、事故にあった場合には必ず加入していた方が良かったと後悔をします。

家族がいる世帯であれば何があるかわかりません。

特に子供がいる世帯では安心が一番大事です。

忘れずに健康保険の申請はしておくのがいいでしょう。

・生活救済制度など
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