近年、老後の資金を捻出するために、この仕組みを検討する人も増えています。
ただ、この制度は内容をあまり知らなくて手を出すと大火傷では済まない状態になってしまいます。
老後資金の調達のためには、優れている制度ですが、その反面、長生きをすることで返済期日が来てしまったり、自宅の売却をして、住む家が無くなりお金も無くなってしまう可能性があります。
きちんと制度内容とリスクを把握した上で借入を行わなければ、後で取り返しのつかないことになりかねません。
今回は、リバースモーゲージのメリット・デメリットをお伝えしていきます。
リバースモーゲージとは
リバースモーゲージは、一定以上の年齢で、自宅を所有している人が条件で使える自宅を担保にした借入です。
一定以上の年齢とは、60歳以上や65歳以上です。
各金融機関や自治体によって、年齢制限は異なります。
借入期間を短く、短期中期での借入をすることを念頭においたローンとなっています。
リバースモーゲージは老後の資金を捻出するために、自宅を担保にして借入を行い、契約者が亡くなれば物件を売却して返済をする仕組みです。
通常は、借入を行う際には、毎月の返済が必要ですが、
リバースモーゲージは金銭の貸し付けを受け、
契約者が亡くなった際などに一括で返済を行う借入です。
リバースモーゲージローンの取り扱いはは社会福祉協議会や民間の銀行などが行っています。
それぞれで借入限度額や金利、内容が変わってくるので申し込みする前には、比較をしてどこで借りるか検討することをオススメします。
金融機関の場合は、契約者が
生きている間は利息分の支払いを行い、元金については契約者が亡くなった後に、
相続人が対象物件である自宅を売却するなどして残債の返済を行います。
社会福祉協議会の場合では、
生きている間は利息も払ません。
基本的には契約者が亡くなった後に、
相続人が元金と利息を合わせて支払います。
どちらの場合でも、老後資金の捻出が出来ますが、借りた資金は相続財産の中から、相続人が払っていきます。
・年金収入で老後生活の資金が心許ない場合
・定年退職後の住宅ローンの返済が大変な場合
・孫に対する教育資金の捻出する場合
上記の様なケースで、この制度は有効的に活用出来ます。
住宅ローンからリバースモーゲージに切り替えた場合、住宅ローンの元金の一部と利息の返済から
リバースモーゲージは利息だけになるので、老後の資金は豊かになるでしょう。
上限金額も1億円程度になっているため、活用の幅も広がります。
しかし、必要もないのに大きな借入をした場合はデメリットもあるのでお気をつけください。
メリット・デメリットとは何があるのか？
借入をするのと同じ行為なので、もちろんメリットもあればデメリットもあります。
しっかりと両方を考えてから活用していきましょう。
メリットとは
リバースモーゲージローンのメリットは複数あります。
毎月の支払いが無い、または、
利息のみの支払いになるため、老後の負担が少なく資金が潤沢になり、老後生活を豊かに生活出来ます。
元金の返済は契約者が亡くなった後に、相続人が現金もしくは、自宅の売却で返済するのでお互いに負担は少ないでしょう。
もちろん、契約者の生存中に返済することも可能です。
自宅を売却することなく、引っ越しもなく、まとまった資金を借りることが出来るのが大きなメリットです。
自宅売却だと、次の引越し先を探す手間と、敷金礼金、引越し代、家賃などがかかってきます。
また、配偶者に契約を引き継ぐことが出来る契約内容もあるため、配偶者の住居がなくなるリスクは少ないです。
デメリットとは
長生きすればするほど、上限以上に資金を必要とするケースがあります。
途中で資金が足りなくなった場合、
自宅の売却をしても返済でお金が残らない場合もあります。
また、生存中でも、土地と建物の評価が下がれば、
限度額の引き下げがある可能性があります。
最悪に状態は、家も資産も何も残らない状態で、高齢での生活をするか、相続人に多額の借入を残すケースも少なからずあります。
亡くなった後も、売却した金額よりも、残債が高い場合は相続人が差額を支払う必要があります。
条件と資金用途
借り入れ先次第で、資金の使う方法を限定されている場合があります。
下記の様な場合に限定されるケースもあるのでご注意ください。
・老後の生活資金や医療費
・介護費
・子供や孫への生前贈与
・老人ホームの資金
・趣味やレジャー資金
・自宅のリフォームの用途
・住宅ローンの支払い
社会福祉協議会の場合は、老後生活資金の利用しか認められていません。
住宅金融支援機構の場合は、下記の用途のみで、生活資金として借りることが出来ません。
・自宅リフォーム
・老人ホームなどの入居費用
・住宅ローンの借り換え
・子供や孫の住宅資金の贈与
金融機関のリバースモーゲージの場合は、原則自由な使用用途が多いです。
検討した方がいい人
リバースモーゲージにはリスクがあります。しかし、検討した方がいい人も一定数以上はいます。
老後の資金が足りない
老後の貯蓄に不安があり、家を売却して住み替える費用と比較して、リバースモーゲージにメリットがあると感じた場合はお勧めします。
家賃を払わずに、大きな金額を捻出出来るのが強みですが、自宅の担保力限度まで借りるのではなく余力を持って借り入れることをお勧めします。
相続人がいない
相続人がおらず、自宅を引き継ぐ人がいない場合はこの制度はお勧めです。
家賃を払うことなく、借り入れが出来るので、資金的に充実した生活がおくれます。
定年後の住宅ローンの借り換え
前述しましたが、借り換えをすることで元金を毎月支払わなくてよくなるので、老後の生活がかなり楽です。
しかし、借入は変わらずにある為、相続人に負担はかかります。
子供が自宅に帰ってこずに、老人ホームで暮らそうとしている
子供が他で自宅を建てた、戻ってくる予定がない場合で、老後は老人ホームに入居を考えている場合は老人ホームの費用が捻出出来るのでお勧めです。
入居後にモーゲージローンを組んだ自宅を売却することも出来ますので、利用の幅は広がります。
自宅は最後まで残しておきたいと考えている人にはお勧め出来ます。
まとめ
リバースモーゲージは借入をするということを念頭において検討すべきでしょう。
もちろん、子供や配偶者がいる場合は相談をして、同意を得ることをお勧めします。
近年では、貯蓄が出来ない状況になっている世帯が非常に多くなっています。
現役世代が、老後を迎えるころには様々な制度が変更していると思いますが、今のうちから老後の生活を考えて事前知識を頭に入れておくことは必要不可欠です。
最近では、リースバックというシステムもあります。
今住んでいるマイホームを引っ越さずに自宅を売却する制度です。
下記リンクで詳しく解説しております。
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