不動産【法人化】する目安はいくらから?メリット・デメリットは?

不動産【法人化】する目安はいくらから?メリット・デメリットは? ・不動産 豆知識

所有している不動産の収入がある程度増えてきたら、法人化を検討する人が多いです。

では、実際に法人化した方がいいのか、収入がいくら以上になったら法人化したらいいのか悩む方も非常に多いです。

法人か個人かどちらがいいかケース別にわけてお伝えしていきます。

個人と法人の違い

個人と法人の違い

個人と法人の大きな違いは、かかる税金の違いになります。

個人に対しては、所得税と住民税、法人に関しては法人税と法人住民税、法人事業税がかかります。

個人の所得税と法人の法人税の税率

個人の場合、不動産所得は総合課税の対象になります。サラリーマンであれば、給与との合算で所得税の税率が決まります。

税率は累進課税の為、最大45%の所得税率がかかります。

法人の場合は、所得税とは違い2段階の税率になっています。

平成30年4月1日以降の開始事業年度は年800万円までが19%(特例期間は15%)、年800万円超が23.2%になります。地方法人税は法人税額の4.4%になります。

法人税と事業税は所得が無ければ、納税はありませんが、法人住民税は所得がない場合でも原則7万円の納税が必要になります。資本金によって納税額が変わるので、事前確認が必要です。

不動産投資で個人から法人化するメリット、デメリット

法人化する際には、メリットとデメリットがもちろんあります。

不動産投資を法人化するメリット

よく言われているのが、所得が800万円前後から法人化を検討いた方が、メリットがあると言われています。

個人の所得税と法人の法人税は800万円を超えてから、税率の優遇が受けることができます。

個人の所得が800万円ほどになると、所得税等と法人税等がおおよそで逆転してきます。

また、法人の場合には損失の繰越控除ができます。

法人は10年間赤字の繰り越しができるので、個人の3年に比べ大きな違いになります。

そして、経費計上できる範囲が個人よりも格段に広がります。

保険料なども、個人であれば最大12万円までですが、法人であれば支払った金額の50%を経費計上できます。

他にも、役員報酬や退職金も経費計上でき、節税する幅は広がります。

不動産投資を法人化するデメリット

法人化する際に、設立する為に費用がかかります。定款の作成や登記等、専門家に依頼した際に安くない金額がかかります。

定款認証手数料、登録免許税など、その他の費用も合わせ株式会社で25万円程、合同会社で15万円程の費用が必要になります。

また、前述していますが、赤字でも法人住民税が原則7万円必要になります。

個人の所有物を個人に移す際

個人の所有不動産を法人に名義変更する場合は、通常の売買と同様の手続きが必要です。

売買契約書締結、不動産取得税、登録免許税なども改めて必要になります。

一番いい方法は、土地、建物の内、築年数が古い建物だけを法人に売買譲渡し、個人と法人で借地関係を作ることが一番税金がかかりません。

しかし、銀行の融資で売買を行う場合は、少し手間取るというデメリットがあります。

銀行融資

銀行の融資も、個人の場合とは違い、事業用ローンとなる為、期間が短期になったり、金利が個人に比べて高くなる可能性があります。

これまでの銀行との取引形態によるので一概には言えませんが、一般的には上記の様になります。

ただし、借りられる限度額は個人と法人では、法人の方が多いです。

初回の限度額では、差異はありませんが、株式会社などの法人の方が業として行っているとみられるので融資がされやすいです。

2棟、3棟と増やしていく場合は、個人だとストップが掛かる可能性もあります。

取引内容や資産背景によっても変わりますが、銀行の審査本部としては個人に貸し出すことのリスクを懸念します。

不動産の法人化とは まとめ

不動産投資を法人にする際は、800万円を超えるなどの目安を持って変えるのがいいでしょう。

法人税率と個人の税率を計算し、どちらがいいのか税理士などと相談し決めていく事をオススメします。。

あくまでも目安となるので、実際に経費計上したり、個人から法人に資産を譲渡した場合、逆に多く税金を支払うリスクもありますので、安易に決めないようにしましょう。

コメント